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異世界鉄道  作者: 山川 ぼっか
ここは二ホン??
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悪魔の今野様

 トンネルを抜けた先は川であった。近くにはビバーチェの街が見える。


「こんなところに出るとは。街も近いし軽く挨拶を済ませてシャープの城下町に戻ろう」

「でも、もう夜なのですよ? この辺でお休みにしませんか?」

「休むもなにも泊まれる道具は持ってないぞ?」

「ふふふ、山田! 例のものを準備しなさい!」

「はっ。アーネさん」


 君たちはいつからそんな関係性になったのだい。山田の方が圧倒的に年上だよね? 僕が困惑している横で彼はコツコツと例のものというものの準備をしていく。


「できました! アーネさん!」

「よくできたのです。お疲れ様です」


 何があったのだろうか。本当に気になる。


「これでここで休憩ができますよ!」


 そこに準備されたのは日本で言うキャンプセットらしきもの。テントと焚火がある。


「キャンプするのか。しかしこのあたりは魔物が出たりしないのか? こんなところで死にたくはないぞ」

「大丈夫なのですよ? 我を何者だと思っているのですか! 我は最強の魔法使い!! 結界の一つや二つ。なんてことないのですよ。ですがこのあたりは魔物が出やすいので結界の外には絶対に出ないでください。明かりもついていて来やすいので」

「そうなのか。しかし、食料はダンジョンでほとんどなくなってしまったしどうしたものか」

「そんなこともあろうかと山田!」

「はい、アーネさん」


 え、やっぱりその主従関係は何。今度、何があったのか聞こう。絶対に。

 山田が鞄から取り出したものは今夜をしのぐには多すぎるくらいの食料。しかも日本語で書かれているものばかり。


「おい、まさかそれって」

「はい、ギルドにマスター以外誰もいなかったので我が山田に頼んで食堂から持ってこさせたのだ!」


何しているの! だめじゃん! 泥棒だよ、それ。次行くときも交渉をしに行くのに条く悪くなっちゃうよね、それ。

僕は次行ったとき、どう謝るべきか。冷や汗がダラダラになっているのをよそ知らずに他のメンバーは何を食べようかを話し合いだしている。そんな場合ではないのに。


「アーネちゃん、ナイス! 私、料理には自信があるから任せて!」

「本当ですか! 我はあまり得意ではないが出来る限り手伝うのですよ!」

「本当? じゃあ一緒にがんばろっか!!」


女子二人は盗んだ食材を持って川へ。ネモ君と山田は敵が出てくる前に近くの薪を探しに出かけてしまった。そうだ。このチームに危機感という言葉はなかったのだ。だが、お腹が空いているのは間違いない。いまさら悩んだってしょうがない。出来上がるのを待つことにしよう。

 時間がたつと皆が戻って来て料理が出来上がるのを待つ。いい匂いがしてきた。今野は料理が得意と言っていたがしているところを見たことがない。ちょっと楽しみである。


「みなさん、できましたよ! カレーのルーがあったのでキャンプらしくカレーにしてみました!」

「おっ、俺はカレーが好きなんだ! 楽しみだぜ」

「カレーとは何ですか? 師匠」

「その名前の通りからい食べ物だよ。香辛料を使って辛さを出しているんだよ。日本では子供が好きな食べ物かな?」


 雑談をしているとそこに出てきたのはカレー…。のような、何かだった。そういえばアーネはどこに…。


 調理で使っていた火の近くにアーネがぐったりと倒れている。どういうことだ。これは。アーネを助けようと席を立とうとした瞬間後ろから危険な気配を感じた。


「佐藤先輩? アーネちゃんなら大丈夫ですので召し上がってください」


 そこにいたのはいつものかわいらしい彼女ではない。それは、人類を絶滅させた後の魔王の姿だ。横に座っていたはずのネモ君や山田も泡を吹いて倒れている。おかしい。


「こ、今野さん? なんでみんなは倒れているの?」


 もしかしたら偶然何かの病にかかったのかもしれない。彼女のせいだとは決まったわけでは…ない。はず。なので、死を覚悟して質問をした。


「なぜって、みんな、おいしくて、ですよ? 当り前じゃないですか。だってちゃんと花嫁修業としてお料理教室も通っていましたし。 おいしくて、ですよね? 皆さん!」


 返事はない、ただの屍のようだ。


「え、返事ができないほどおいしかったんですよね!  なので、佐藤先輩も食べてください! なんなら私が食べさせてあげましょうか?」


 僕は勇気を振り絞ってスプーンを口へ運ぶ。サヨナラ。




 目が覚めたらしっかりとしたベットで寝ていた。ここはどこなのだろうか。確か、今野の作っ…。おかしい。何があったのか記憶から消えているようだ。思い出そうとすると体が震えて頭痛もしてくる。よっぽどひどいことがあったのだろう。困惑していると、部屋の扉が開く。


「佐藤よ、大丈夫かね! 偶然遠征に出ていた部隊が倒れている君たちを発見してつれて帰って来たのだが何をしていたのだ」

「ア、アーネのお父様ですか。いや、それがなにも思い出せなくて…」

「さぞつらかったのだろう。その場で一人だけなぜか喜んでいた怪しい女がいたと報告を受け、念のためそいつだけ牢屋に入れてある。体調が良くなったら事情聴収をするそうだから声を掛けてくれ」


 その後、すべてを思い出した僕はアーネ父に謝り、報告だけを済ませる。そして、足早にこの街を出ていくのであった。


今野さん初のメイン回がこれでよかったのか私にも分かっていません。とりあえず、私の暗黒面の力が強すぎて…。

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