恐怖の佐藤
ここのドアも先ほどの宿屋と同じようにきしむ音がする。どこの建物も人の出入りが少ないのだろうか。案内された建物なのにやはりここにも人の気配がない。ここの人も寝ているのだろうか。
「すいませーん。ギルド長じゃなくてもいいので誰かいませんかー?」
「誰かいませんか~! にしても本当に誰もいませんね」
「まあ、まだ奥まで調べていないから何とも言えないけどもさっきの宿屋以上に使われている気配もないしな」
「あれじゃないですか? 僕たちと対応するのが嫌で嘘をつかれたとか…?」
「まあ、十分にありえるよね。まあ、そうだったら戻って問い詰めようか」
「師匠に問い詰められるのは怖そうですね」
「そんなことないよ。ね?」
話を聞いていなかった佐藤と今野の二人は急に背筋が寒くなったのか姿勢を正しながらも聞こえていないふりをしている。
「え、聞こえなかった? 怖くない。ってかしたことないよね」
「「あ、はい。その通りでございます」」
震える声で二人は返事を返す。
「やっぱり師匠は優しいのですね! さすがです!」
ネモ君は今のを見て素直に受け取ってくれていたようだ。やはり純粋でいい子だな。
「ネモ、本気で言っているのですか。我にはこのガタガタしている二人を見るにそうと…」
「何を言おうとしているのかな? アーネちゃん。僕は優しい。大丈夫?」
アーネが余計なことを言おうとしているから背後に周り優しく諭す。反論をしたそうだったが少しくらい黙ら…静かにしてもらうことも必要だ。
「師匠。なんで急にアーネを抑え込んでいるのですか」
「いやいや、じゃれてほしそうにしていたからね。ね?」
「我がお主にそんなことっ!」
「じゃれたかった。そうだよね?」
「はい」
ネモ君は僕に対しての信頼感が上がっているようであった。
このように話していると奥から受付の奥から光が漏れているのに気づく。またも受付か。と思いつつ皆に警戒するように小声で伝える。いつもならうるさいアーネも先ほどので素直に従ってくれている。
静かにしていると声ではなく“カタカタ”という音が聞こえてくる。パソコンでもあるのだろうか。もし、そうなのであればパソコン等の電子機器があるかもしれない。だとすると電気があるかのせいがある。もともと、ここに来たのは鉄のありかを示したと思われる本を探しに来たのだが電気があるのならさらに計画が進むかもしれない。僕は受付の方に近づいていく。




