初のダンジョンへ…。
一通りの準備が終わった僕たちはギルドマスターのいるギルドへ向かう。なぜかというと、マスターにダンジョンへ向かう道の鍵を開けてもらわないと先に進めないのだ。
「すみません。ギルドマスターはいらっしゃいますか?」
「佐藤様御一行ですね。お待ちしておりました。ご案内いたしますね」
ギルドの受付嬢に連れられ、奥の部屋に案内をされる。ドアを開けると。
「おお、これは佐藤様。お待ちしておりました。さて、早速ですが準備はできている…のですか…」
彼は僕たちのことをまるで準備が出来ていないかのように疑いの目で見てくる。僕らは顔を見合わせつつ
「も、もちろん出来ましたよ…。はい」
「いや、いくらアーネ様が強いとはいえです。他の皆様がそのような装備なのは未踏のダンジョンに挑むには厳しすぎるかと」
僕たちはまた顔を見合わせ…
「「「「アーネが強いですから…」」」」
揃えて同じことを言う。
「最初は我も止めたのだがな? 皆が褒めてやまないから頑張ることにしたのだよ。まあ、皆には防御力高い防具やポーションをたくさん持たせてある。クラウンよ。安心した前っ!!」
「アーネ様、本当によろしいのですか? この街の将来を担う大切なお方なのです。もしもがあったら…」
「クラウンよ。我がそんな簡単にやられると思っているのか。我は悲しいぞ?」
「いやいやそのような気持ちは微塵もございません。ですがもしも…、もしもです!」
「ほほう…。領主となったときはお主の首も近いのかもな…」
「んんっ。ずるいですぞ。しょうがないですね。絶対に生きて帰ってきてくださいぞ
!」
やはりギルドマスタークラスになっても将来の領主には逆らえないのだろう。渋々許可を出してくれた。まあ、たしかに誰が見ても不安になる装備ではあると思う。なにせ予算がない。攻撃道具なんて買う金はない。だからこそ防御力に全ブリしたのだが…。
「しかし、初級冒険者でもそのような装備はしませんぞ」
「安いのがこれしかなくてですね…」
「そうなのですか…。まあ、アーネ様が大丈夫とおっしゃるわけですし…。がんばってくださいね。では、門を開けましょう」
門を開ける? これからどこか山の中にでも向かうのだろうか。初めてのダンジョン。不安でいっぱいだが楽しみでもある。
「どの辺りにそのダンジョンの入り口はあるんですか?」
「ここです」
「いやいや、だってここは街なかにあるギルド内の奥の部屋ですよ? こんなところにそんな入口があるわけ」
「あるんですよ。見ててください」
クラウンは呪文を唱えだす。そうすると部屋の真ん中に魔法陣が浮かび上がってくる。さらに続けると床が透明となり階段らしきものが見えてくる。ここまでの魔術を間近で見るのは初めてでなぜかとても感動している自分がいる。神秘的に光る魔法陣に自らが飲み込まれてしまいそうだ。
魔法陣に見とれているとどうやら詠唱は終わったようで徐々に魔法陣が消えていってしまう。もっと見たいと言う気持ちが湧いていたがこれから先の冒険に胸を膨らませ階段を降りていくことに。




