フルコース(後編)
地獄のようなフルコースの前半が大量のお口直しのふりをしたアイスで終わった。もう僕たちに後半を食べれるお腹は残っていなかったが残せる雰囲気ではなかった。
「皆様、今日はいつも以上に手を入れて作っておりますので残さず食べてくださいぞっ!」
「そうですよ。父上の言う通りいつもより手が込んでいる気がしますっ! ですが皆さんまだまだこれからですからねっ!」
「「「「「えっ」」」」」
僕たちはまだあると分かっていながらも心のどこかでこの場所ではここで終了なのだろうと願望を持っていた。その中でやはりという気持ちと共に声が漏れてしまった結果皆でそろって声というよりも吐息が出てしまったのだ。
しかし、そんな心の整理をする暇もなく肉料理が机に配膳されていく。これも匂いはとてもよく、普段なら飛びついて食べたくなるだろう。鉄板のプレートに載せられ、熱々でジュージューしている。だけならいいのだがいつも通り量がおかしい。1キロはあるだろう。ここまで食べたうえで1キロなんて食べれるわけがない。それなのにあの親子はどんどん食べている。僕も頑張っているがもう無理だ…。なんとかしようと風が吹いたら飛んでしまうような薄さで一口ずつ食べていると
“バタッ”
今野が食べ過ぎで椅子から転げ落ちてしまった。大丈夫かと声は何とか出るのだが身体が動かない。食べ過ぎで体が重い。他のみんなも同じ状況なようでネモやエイルは声すら出ていないようだ。しかし、元気な二人がまだいる。そうアーネ親子だ。二人はすぐに駆け寄り
「大丈夫かっ! おい!」
「今野さん大丈夫ですか?! そんな無理なさっていたなんて…。今すぐ楽にしますから待っていてくださいねっ!」
アーネは何をしようとしているのか見ていると何か呪文を唱えだし今野に向けてうとうとしている。
「お、おい。今野に何をする気なんだよ。さすがに魔法をうつなんて」
「佐藤さんは回復魔法というのを知らないのですか?! それをうつだけなのですからなにを心配しているのですか!!」
「い、いや回復魔法は知ってるけど…。。普通はもう少し近くで良きな感じで使うものじゃないのか?」
「良きな感じとは何なのですか。まあ大丈夫ですので大人しく見ていてほしいのです!」
さらに呪文を唱えると大きな魔法陣が現れ、今野に向けて激しく光っている光線が今野へと向かって行く。
「ああああああああ」
「大丈夫かっ!」
「あ、あ、え? だ、大丈夫ですっ! というかお腹がすいてきました…」
「え、、?」
「お、効果てきめんですねっ! 今の魔法はお腹がすく魔法で…」
「え、なにその効率のわるい魔法は。効果の範囲狭すぎでしょ。もっと使える魔法覚えろよ…」
「何を言うのですか。我ほどの魔法使いになれば基本は何でも使えるのです。なので今この状況に必要な魔法を撃っただけなのです」
この後、全員にこの魔法を撃ってもらい、完食したそうだ。これでよかったのかは分からないがまあ特に進展もなかったわけだしいいだろう…。




