晩餐の始まり
結局ひたすらアーネのかわいいところなどをひたすら聞かされ、もう何週目なのだろうかと次に何を話すかまで予測ができるほどループをしているところでドアをノックする音が来た。神からの呼び出しだと僕は感じた。
「失礼いたします。旦那様、食事のご用意が出来ましたので食堂までお越しください」
「分かった。今すぐ行く」
彼は領主モードへとすぐに切り替え返事をしていたが確実にこの話を切り上げたくなさそうな顔をしている。僕としてはとてもうれしいのだが…。
「もう食事の時間だとはな。まだまだ話したりないし、君も聞きたりなさそうな顔をしているが今回はここまでだ。また聞きに来てくれよな」
「そうですね。お腹もすきましたし、また今度続きお願いしますね」
僕は久しぶりに満面の営業スマイルで話を流す。たぶん、また聞いても同じ話だろうし自ら聞きに行くことはなさそうだが。しかし、僕として何か話したいことがあったような…。まあ、お腹もすいているのでメイドさんに連れられるままに食堂へと向かう。
そこにはもう山田や今野といった仲間たちが座って待っており、僕たちが着くのを今か今かと待っていたようだ。
「やっと来ましたねっ! もうお腹ぺこぺこなんですから早く座ってください先輩っ!」
「あああ師匠は僕のとなりに座るんです! さあさあ」
「なにを言っているのっ? 佐藤は我の隣に座るとずっと前から決まっているの!!」
ネモとアーネの僕の奪い合いが始まったが案内された席はお誕生日席でその横に二人が座るという一番いい形で落ち着く。そして、一通り落ち着き最後に来た領主が乾杯の音頭を
「皆様方、よくこのお屋敷に来てくださった。まずはアーネの連れの皆様に対して人道的ではない対応をしてしまったことを謝らせてほしい。大変すまなかった。我とて、置き手紙だけを残して消えてしまった娘をのうのうと連れてきたものだから勘違いをしてしまった。本当にすまない」
「そういうところがだめなのよっ!」
アーネから鋭い突込みが入り、笑いが起きる。
「お、ほん。皆様方のおかげでまたアーネと会えたわけでもあるので食事についてはいつもより手を入れて作る様に指示してるのでぜひとも堪能していってほしい。では、ながながと話したい気持ちはあるが長旅で疲れているであろう。きょうはいっぱい食べでくれ。乾杯っ!」




