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異世界鉄道  作者: 山川 ぼっか
ここは二ホン??
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どっちが?

「この街にいる間だけ泊まらせてください!」


 そう言われた兵士は困惑しながらも確認を取ってくると言って城内へと入って行った。戻ってくるのを待っていると。


「ふわああ。んん! ここは家の目の前…。ということは我が何者かに眠らされた後に捕まって連れ戻されているところなのねっ! やはりお父さんはなにも反省を…」

「まてまてまて、勝手に放心状態になってそのまま寝てたやつが何を言ってるんだよ」

「なんだ、佐藤ではないですか。で、寝心地が悪いと思ったら山田のごつごつの筋肉…。大丈夫なので下ろしてください。あ、本当に大丈夫なので…」


 山田は筋トレ感覚で背負っていたので力が入っていたのだろう。痛そうなそぶりを見せながらアーネは下ろされる。


「我はそんなにごつごつ筋肉が好きじゃないのです。なにせ先ほど見られたかと思いますが我のお父さんは娘を守るためとか言って筋トレばかりしているのです。おかげでひどい日だと仕事すらしないみたいでしょっちゅう怒られていましたね」


 ムキムキで泣き虫って…。キャラが渋滞しすぎているような。


「アーネちゃんは筋トレとかしようって思わなかったの?」

「そうですね…。小さいときはお父さんが護身術とか言ってやらされていたみたいなのですが嫌で嫌でしょうがなかったので魔法の勉強を必死にしました。それで筋トレをさせてこようとするお父さんを脅してやらなくなりました」


 父と娘の関係性…。この家族の場合どっちが上なのだろうか。そんな談笑をしていると先ほどの兵士が戻ってきた。どうやら許可が出たようだ。そして夕食の準備もするから呼び出すのでそれまで待機だそうだ。そらあんなに娘にぞっこんなんだ。準備にも時間がかかるというものだ。

 僕たちは各々部屋に案内され、二人一部屋だそうでどう分けるかを決めることに。


「我は自分の部屋があるので大丈夫だが今野とエイルは同室の方がいいのでは?」

「それもそうだなっ! じゃあ俺は佐藤と…」

「それもそうですね。では僕は師匠と…」


 山田とネモが似たようなことを同じタイミングで口走る。二人は驚いた様子で顔を見合わせ


「山田さん…。僕はまだ幼いですし一人でというのは少し、怖いんです」

「ま、まて。お前そんなこと言ってっけど結構大人びてるんだし大丈夫だろ? 俺だって佐藤には用がたくさんあってな?」

「長い付き合いなのはわかりますが僕だって聞きたいこと話したいことがたくさんあるんです! いつこの世界から消えてしまうかもわかりませんし、消えるとなったらきっと山田さんも一緒でしょう。なので数少ない大切な時間を僕に…」

「まあまあ、落ち着けって。そんなにすぐには消えねーよ。きっと」

「きっとって何なんですかっ! そんな保証ができないなら僕に譲ってくださいよ!」

「じょ、冗談だよ。そうだ、ここは佐藤に決めてもらおうぜっ。そうすれば恨みっこなしだろ」

「それもそうですね。では師匠どちらと…って」


 あんな無駄な争いに巻き込まれたくないので僕はそそくさと案内された部屋へと消えていく。

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