アーネ城
僕たちは堂々と街へと戻る。一人を除いては。
「我のことを隠してくださいよっ!」
「知らんがな~。わーわー言ってるよりも黙ってた方がいいんじゃないか~?」
文句を言いながらも一人になるのは嫌なのだろう。僕たちのうしろに隠れながらついてくる。
もちろん戻ってくる僕たちをみて街の人たちはぽかんとしている。そりゃそうか…。しかし、そんなことに動じることなく…。というか動じるとかっこ悪く見える気がするので胸を張って戻る。
決して街の人たちの目線が痛いわけではない…。
「さ、佐藤先輩…。この周りからの視線耐えられないです。なんで戻ってくるんだっていう…」
「最初だけだよ…うん。耐えて」
僕たちはなんとか通り抜けこの街のギルドへと向かう。
「すみません、この街のギルドマスターはいらっしゃいますか?」
「あ、アーネ様御一行ではないですか。ギルドマスターですか。今はちょっと…」
「なにか忙しいのですか?」
「いや…、その…」
ギルドの職員はなにかを隠すようにモジモジしたうえで、確認してまいりますとだけ言って奥の方に消えてしまった。
数分間待ったうえで職員は少し用が立て込んでいるので明日以降にというので一旦引き下がることに。
「だめでしたね…。で、どこに行くのですか?」
「そうだな、アーネの家にでも行くか!」
「なななななんでそうなるんですかっ! 適当にこのあたりの宿に泊まりましょうよ! 我とて、さすがに家に帰るのは…」
「アーネよ、わかってくれ。今の僕たちはお金が少ないんだ。削減できるところがあるのならばそこを削らないと」
「そそそそそれならば我が家に行ってお金を借りてきましょう! そうすればお金がなくても…」
「いったん家に行くならそのまま止まればいいじゃないか」
自分の発言が支離滅裂だったことに気付き、放心状態になってしまった。
「では師匠。アーネもあんな様子ですし、行きましょう!」
放心状態のアーネは山田がおんぶをし、家へと向かって行く。入り口がどこかなんて分からないので街の人に聞きながら向かう。
どうやら街のど真ん中に小高い丘があり、そこが家のようだ。長い坂を上り、門の前へと着く。
「あ、アーネ様御一行ではないですか…。アーネ様はどうされているのですか?」
「あ、いやちょっと寝てるだけなんです。さっきもすっごい魔法撃ってたじゃないですか。きっとそれのせいですよ」
「それは失礼いたしましたっ! それでご用件はなんでしょうか」
「この街にいる間泊まらせてください!」




