老婆
なくなくアーネをおんぶし、進みだして歩き出す。10歳とはいえまあまあな重さがある。このままゴールが分からずに行くのはさすがに…。と思っていたところ後ろから老婆が話しかけてきた。
「やあ、そこの若いのや」
「僕たちのことですか?」
「そうじゃそうじゃ。さっきから見てるに寝床を探しておるんじゃろ? それならわしのところにきんしゃい。ちっちゃくてぼろいけど一応宿屋をやっておるんじゃけ」
若干の怪しさを感じたりはしたのだが見た目はすごく優しそうな人だし、何よりも休めるならいい。そう思い、僕たちはついて行くことに。
「私たちが騒いだだけありますね!」
「いやいや、誇るところじゃないからね? たしかに、休めることにはなったけど歳を考えたらさっきの行動はみっともないというか…。」
「私だってたまにはごねたい時だってあるんです! 結果オーライだからいいじゃないですか!」
彼女はそういうとムスッとした顔を見せてきた。その後は顔をコロッと変え、老婆のところに駆け寄る。そして、満面の笑みをして話しかけていた。女って恐ろしい。
そんなこんなで少しだけ道からそれて歩いていると一軒の宿屋が見えてくる。見た目は今まで見てきた洋風な建物ではなく、和風で茅葺屋根のような見た目だ。本来、日本での職場の沿線はこのような見た目をしている建物があったのでとても懐かしく感じる。
「さあ、ここがわしの宿屋じゃけ。そげにおおきくはないがゆっくりしていっておくれ」
「ありがとうございます」
僕などは段があり、靴を脱ぐのだろうと感覚的に分かって脱いだがアーネ達はこういう建物を知らないのだろう。土足のまま上がろうとしていた。
「ちょっとまて、こういうところでは靴を脱いで上がるのが基本だぞ」
「え! そうなの?! めんどくさいよー」
「そうなのですか。たしかにそういう仕組みの家があるというのは聞いたことがありますが」
「そ、そうですよね。私は昔、こういうところに住んでいたので懐かしく感じます」
「裸足のほうが靴がなくて楽でしかも懐かしい感じがして最高だぜ!」
「しょうがないですね、私の生足を…。」
それぞれ個性の出た反応をしていたが今野のそれは誰を誘っているのだろうか…。僕と山田以外だと男はネモしかいないのだが…。ショタか?!
まさかと思いつつ部屋へと入っていくとこれまた日本の建物にありそうな囲炉裏を見つけ懐かしさをさらに感じ、興奮する。
老婆に軽く建物の説明を受け、夕食が出てくるまで休憩の時間となった。




