焼きおにぎり
焼きおにぎりの香ばしい匂いにつられてやってきたのはネモだった。
「し、しょー。何作っているんですか?」
起きたとはいえ、夜中なので非常に眠そうにしている。そんな彼は開ききっていない目をこすりながらそう聞いてきた。
「起きたのか。ちょっとあんまり食べてなくてお腹がすいてしまってな。おにぎりを焼いているところだ」
「おにぎりって焼くものなんですか! はぁ~。知らなかったです!」
「この世界では焼くことはないのか。僕のいた世界ではもちろん焼かずに食べるのが主流だけどもこの食べ方もあってすごくおいしいんだよ」
この世界では焼いて食べるという文化はないのだろうか。非常に興味深いようでさっきまでの眠そうな目がしっかりと開いている。
「やっぱり佐藤さんについて来てよかったです」
「殺しかけておいてなにを言うのやら…」
「それは、すみませんでした。本来は入ったばかりですし大人しくしておくべきということはわかりますが…。すみません」
「まあ、なんとか死ななかったからいいけどもうやめてくれよ?」
「は、はい。これからは気を付けます」
「というかなんでアーネと喧嘩したわけ?」
「うーん…。ちょっと態度が鼻についたから…ですかね」
「え、それだけ?」
「はい」
これで殺されかけたのか。子供とはいえ力を持つと喧嘩の次元も変わるんだな。恐ろしい…。
「今後は気を付けるようにしますが彼女とは相いれないような気が…」
「まあ、そんな風に考えずにさ、仲良くなろうとしてみてよ。以外といいところもあったりするぞ?」
「分かりました。彼女との関係は何とかしていこうと思います」
僕のことを師匠と言ってくれるだけあって物分かりがよくて助かるな。
「師匠には教えてほしいことまだまだたくさんありますけど今日はこれくらいにしておきます。おにぎりはまた食べさせてください。おやすみなさい」
「いつでも聞いてきていいからね。おやすみ」
彼はそのまま寝てしまった。僕も焼きおにぎりを二つ、口にほおばる。やっぱおにぎりと言ったらこれだなぁ。
食べ終わると口の中をすすぎ、みんなと寝ようと思ったが寝る所も僕の分もなく、さっきまで一人で寝ていたところで寝ることにした。このまま身体持つのだろうか…。




