おにぎり
疲れていた僕はひと眠りをしていた。日は沈んでおり、寒くなっていたので持っていた厚手の上着を羽織り、食事が出来上がるのを待っていた。
どのくらい寝たのだろうか。月が昇ってきている。寝だした時はまだ日が沈んだほどだったのにそんなに時間が立っていたのか。いい加減できているだろう。そう思い横を見ると…。
「ねえ、なんで起こさないでしかも食べ終わってるわけ?」
「我は起こそうと提案はしたからな!」
「提案はしたけど起こしにはいかなかったんだな?」
「ま、まあ? ご飯がいい匂いで…」
「それで殺しかけた相手を起こさなかったと」
「はい」
「で、ご飯も残っていないってことか。はあ、腹減ってんのよ」
「しょうがないですね。ご飯が少しだけ残っていましたのでおにぎりをこの我が作ってやろうではないか!」
「へー、それくらいなら料理できるんだ。まあ、握るだけだし、料理とは言わないか」
「料理っていうの! そんなにつべこべ言うなら作らない!」
「おにぎりくらいなら自分で…」
「そこは素直に謝って! 我が作ることなどないのだから素直に謝って作らせsなさい!」
「あ、ご、ごめんなさい」
なぜ、ここまで作りたがるのかは分からない。しかも、こんなツンデレ要素があったのかと驚きも隠せないがそんなにやる気なら素直に頂くことにしよう。
しかし、おにぎりとは言え出来るか心配な僕は横で見守ることに。
「そんなに見なくたって普通にできますから! 疲れてるって言ってたじゃないですか! 大人しくしててください」
「分かったって。わかった。邪魔はしない。だけどさ、なんでそんなに作ろうとしてくれるわけ?」
「そりゃご飯がないのがかわいそうだからですよ」
「本当かよ~。だっていつもなら米だけ投げつけて終わるだよ」
「我をどんな風に見ているのですか! もう少しちゃんとしているのですよ。というかだよって何なんですか!」
「ごめんごめん。ちょっと口が滑っただけだよ」
アーネと話す機会が最近は多いがその度に新しい一面を見ている気がする。色々頑張ってるんだろうな…。感心して見ていると
「あのさ? おにぎりの作り方って知ってる?」
「知ってるわい! 手に塩水をためて、そこにご飯を入れて…」
「やるから! 僕がやるからお前は寝てろ! ってか僕たち以外もう寝てるのかよ! はあ? ちょっといいところもあるんだなって見直しかけてたのにやっぱり許さん! ってかまだちゃんと謝ってないだろ! 殺しかけておいてなかったことにしようとするなんて許さねえ!」
「はあ? 誰が許してもらおうとしてるですって? ご飯時に起きなくてせっかくかわいそうだと思っておにぎり作ってやるって言ってるのに大人しく食べてください!
」
「これはおにぎりじゃないから!」




