喧嘩
アーネはそばの小川に水を汲みに。山田は焚火ができるように薪を探しにそれぞれ出かけていった。僕はというとエイルと一緒に持ってきている食材を使い、料理の準備をしていた。
「しかし、なんで僕たちについて来たいって言ってくれたんだ? ギルドで無条件で探しても当てはまらなかった所だよ?」
僕の問いに対して恥ずかしいのか聞こえないふりをしながらも話したさそうにもじもじしている。そして、
「り、理由ですか。お恥ずかしいですし、大した理由でもないですよ」
「とか言って本当はすごいことがあるんじゃないの?」
「からかわないでくださいっ!」
そう彼女は言い残し、作業に戻る。顔がとても赤くなっていた。そんなに恥ずかしいというか理由があるのだろうか。そう思うと嬉しいがすごい人ばかり集まっているなとしみじみ感じた瞬間でもあった。
薪を持って帰ってきた山田は焚火をできるように軽く薪を積み…積み…
「佐藤―!! 俺には火がつけられねーわ! 魔法も使えんしどうすればいい?」
「知らんわっ! ってかやり方知らないでやろうとしてたの? どうしよっか」
「師匠! 僕に任せてください! ファイアー! ん? 出ない」
「あれ、ネモ君! 何してるのか? あああ魔法が出ないのね! しょうがないなぁ! このパーティーの先輩でもある我が特別に! 特別に披露してあげようじゃないか! 見てなさいね? ファイ」
ネモがおとなしくは見ておらず、アーネの置いた汲んできた水を頭からかぶらせる。おかげで出てた火が水で消される…わけではなく、水の温度が上がり熱湯になってしまう。
「あぢゃぢゃぢゃぢゃ!! 何すんのよ!! はあ? なんなの? 調子乗ってんじゃないわよ! ちょっとマジックキャンセル使っただけじゃない!」
「いやぁ。特に理由はないですよ? ちょっとイラっとしただけですので気にせず」
「はああ? 私の方が先輩だから! 大人しく私のことをすごいとかほめておけばいいの! さあ、褒めて!」
「褒めればいいんですか? そのずる賢い頭とじゃないですかね。まあ、会ったばかりですからいいところなんて分かりませんね」
二人とも意地の張り合いが続き、ついに魔法を使った消耗戦に入りかけていた。子供だからとはいえ、出会ったばかりでこれはまずい。
「まあまあ、とりあえず食事の手伝いしてくれ。ってかアーネは早く水を汲みなおしてこい。後、ネモは火をつけてくれ」
「水を無駄遣いしたのはあいつじゃん! 我は関係ないからな!」
「はあ? あなたの仕事でしょう? 仕事を全うするのは当たり前かと思うのですが…」
このパーティー大丈夫?!




