迎えは??
投獄されてからどのくらい時間がたっただろうか。牢屋の中にある、小さな窓から光が差し込んできている。
「もう朝か、おい。起きろ。朝だぞ」
「んにゃぁ。まだ食べるのぉ! だーかーらもうちょっとまってよぉ」
初めて年相応というか子供らしい反応を見た気がする。彼女は口元によだれを付けながらもその顔は幸せそうな顔をしていた。朝食が出るわけでもないし、もう少し寝ておこう。しかし、二度寝をしてみたものの石の上に布一枚なんかで寝られるわけがない。
と、思っていたら意外と寝れてしまった。結構疲れていたのであろう。次、目が覚めた時にはもう日が昇っていた。
もう迎えに来ているのだろうか。それとも…嫌そんなことはないか。いやな予感がしつつ、彼女を今度こそしっかりと起こす。
「ほら、もう日が昇ってるぞ。いい加減起きろ」
「今日はお休みでしょ~! もう少し…」
まだ夢の中にいるようだ。僕のことを親とでも思っているのだろうか。ずっとむにゃむにゃ言っている。
「ほら、ここは家じゃないぞ。牢屋だ。おい、起きろ」
「んん、んはっ! なんでここにあんたがいんのよ! ってかここどこ! 私の部屋じゃないの?!」
「やっと起きたか。そうだよ。昨日、城の中で暴れようと捕まったんだろ。もう忘れたのかよ」
「忘れてなんかいないわよ! 絶対に許さないんだから!!」
「昨日のこともう忘れたのかよ。和解したんだよ」
「あら、そうだっけ? まあ、いいや。そろそろ日が昇ってるということは解放されるんでしょ?」
「そう、そのはずなんだけど…」
いやな予感が当たっているのだろうか。近くにいた看守に聞いて見ることにした。
「ちょっといいか、そろそろ僕たちの仲間が迎えに来ているはずなんだが何か知らないか?」
「ん、たしかに迎えに来たら解放という話を聞いてるが俺はよぉ知らんな。聞いて来てやろうか?」
「本当か! それは助かる」
彼は牢屋から看守が一人もいなくなるのにも関わらず、情報を探しに行ってくれた。まあ、僕たちしかいないしもう出れるはずなわけだからいいのかな…。数分後、先ほどの看守が戻ってきた。
「聞いてきたぞ。どうやら城の中には通したそうだ。来ていないと言ったら驚いていたんだが心当たりはないか?」
「いいや、ここにずっといるからな。いまいちわからんよ」
「そうか。今、全力で探しているから少し待っていてくれ」
「なんで僕たちなんかのために全力で探すんだ?」
「お前たちのためというよりも、城の機密情報を下手に見られでもしたら俺たちの首が飛ぶ。それだけだ」
会話を終えた瞬間に彼も急いで二人を探しに消えていった。本当にごめんなさい!
看守が立ち去ってからだいたい一時間くらい経ったろうか。暇すぎてやることがない。看守もいないこの無法地帯に今一番の犯人が現れる。
「あっ! ここか!!」
「いたぞいたぞ!!」
「やあっと見つけましたよ。どこにいるか教えてくれないくせに追いかけてくるんですよ。本当に大変だったんですから!」
「そうだぞ! なんでこんなところにいるんだよ。さあ、さっさと行くぞ!!」
この二人は僕に話す隙を与えずに鍵を探し出した。今度はその鍵を差し込んで明けようとした瞬間…
「おい! いたぞ!!」
この後、僕たちと交換で二人は房に入れられることになった。




