英雄伝説記…?
図書館で目的の本を見つけたがタイトルは何か怪しげなもの。しかし、迷っている合間はないと思い、皆のいる宿へと戻って調べることに。
「見つけたぞ!」
扉を壊すかのような勢いで僕はそう言いながら扉を開けた。しかし、部屋にいるはずの二人は全く反応を見せなかった。まさか、アーネを探しに行ったんじゃないかと思いもしたがしっかりとベットに横たわっている。
「あ、おかえりなさいませ、何を見つけたんですか?」
「どうしたんだよ。そんな死んだようになってるけど」
「どうしたもこうもないぜ! アーネがどこか行っちまうかもしれないんだぞ? 仲間としてこんなに悲しいことは…」
「それなのに佐藤さんは薄情すぎますよ! お金の面は…何とかなりますよ! きっと」
「まあ、ちょっとは言い過ぎたと思うけど…。一人で飛び出すなんていつも通りじゃないか。きっと腹が減ったら帰ってくるよ。だから話を…」
「なんでそんな楽観視できるんだよ! おまえはそんなやつだったのかよ」
「そうです! 山田さんの言う通りです!」
「ま、まあ分かった。だがな? このままこの話をしていてもらちが明かない。だから」
「「探しに行くんですね!」」
「違うわい!」
「じゃあなにをするって言うんですか。猫探しのポスターみたいなのを作るんですか?」
「一回、アーネから離れてくれ。日本人に関するかもしれない文献を見つけてきたからみんなで見てみよう思って借りてきたんだよ。それを読んでからでもいいだろ?」
二人はいまだにぐずぐずしていたが渋々、了承をしてくれた。そして、三人で本を見る。
「英雄伝説記ですか。どうも地理とかに関する文献は出てきそうにありませんが」
「僕も怪しいとは思ったんだがどうやらこれしかないみたいで」
表紙には異世界物の作品で見るようなかっこいい男が剣を構えており、その周りに女性キャラが集まっているという構図で描かれている。そんなどう見てもラノベの表紙をめくるとそこにはまたタイトルが書いてあった。
「よくあるタイプの本ですね。ん? 英雄伝説記の上になにかかいてありませんか?」
「おっ、本当だ。なになに…英雄伝説記」
「おい、佐藤。もう一回言ってくれ、聞き取れなかった」
山田は真顔のふりをしてそう言っていたが口元が緩みまくって笑いをこらえているのが見え見えだった。
「ん、そんなに聞き取れなかったなら自分で読んでみればいいじゃないか」
「そうじゃないの! 佐藤が真面目に言うから面白いのであって俺だったらもっとかっこよく読むから」
「あーーーそうですか。はい、次行きますよ」




