実は最強?
「この街にいる冒険者の方はすぐにお集まりください! 緊急クエストです!」
僕たちはアーネを除いて最低限の職にしかついていない。しかもこんな王都の近くの街など絶対に敵のレベルは高い。出て行ったところで即死することは目に見えている。僕たちから参加できる人なんて…
「やっと我の出番が来たようだな! 準備をしてくる」
そうだった。国から派遣を指名されるような奴だったんだ。そして痛々しい子でもあったというキャラを忘れていた。
準備をしてくるというから何をしにいったと思ったところ、魔法使い用の杖だけを持ってきた。喜々とした顔でいたのでつい理由を聞いた。
「その杖は何か特別なものなのか?」
「この杖は伝説の竜を倒した時に使ったものなのです。最近はバカにされているので私の真の強さを見せてあげますよ。そして私にひれ伏すがいいです」
「ひれ伏しはしないし、僕たちは弱いから見に行けないぞ」
それを聞いた瞬間、動揺を見せたが平然を装い話を続けた。
「い、いいでしょう! じゃああの高台からでも私の活躍を見ていてください」
「わーったよ。よーし、みんな行くぞ」
僕たちはアーネと共に街の壁から少し離れた高台のところから戦いを見守ることにした。異世界に来て初めて魔物を遠くからであるが見る。
“うおおおおおお!”
“この街を守るぞ!”
勇者たちが鼓舞するために大声を出していた。対陣を組んでおり、我らのアーネは一人前に飛び出して構えていた。魔法使いなのだから後衛で構え、魔法を繰り出すものかと思っていたのだが見栄を張っているのだろうか。下手に死なれたらこちらとしては困るのでやめてほしいのだが…
しばらくすると魔物たちが一斉に街へ向かってかけてきた。勇者たちも戦闘態勢に入り、魔物へ向かって走って行くものも出た。彼女の様子を見るとまだ微動だにしないのでやはり、見栄を張っていたのか。と思った瞬間あたりに魔法陣が現れ、一気に魔物が倒れた。
「先輩、アーネすごくないですか」
「予想以上だな。これからはもう少し態度を改めないといけないかもしれないな」
「おい! あいつ消えたぞ!?」
確かに、さっきまでいた場所にいない。彼女を探しているうちに気付いたら敵が全滅していた。そして、彼女は元の位置に戻っていた。周りの冒険者からたたえられているようで嬉しそうにしていた。これはチートというやつなのだろうか。しかし、そんな奴が仲間にいたと思うと謝らなければならないのだろう。
彼女に合流しようとギルドへと向かうとそこでは祝勝会なのだろうか。もう酒盛りが始まっていた。その中心にはアーネがいた。




