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異世界鉄道  作者: 山川 ぼっか
ここは二ホン??
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休息

 喧嘩の矛先が変わった今日この頃。なんだかんだ、あと少しのところまで進んでいた。片道で2日は時間がかかると聞いていたので予定よりは少し遅くなっている。しかし、子供のおもりをしながら進んでいると考えれば、概ね順調と言っても過言ではないだろう。

 そう思いながら二日目の夜は僕が手料理をみんなに振る舞う。あまり得意ではないが。


「さ、佐藤さんの料理おいしいのですのね。あんまり料理はなさらそうなお顔をしているので」


 なんだろう。しゃべり方のせいなのだろうか。アーネよりも鼻につくことが多い気がする。気のせいだとは思うのだが。


「この手料理だけは佐藤のいいところなのですよ!! 他は魔力が微塵もない、ひょろひょろなのですが!」

「魔力がないのですか、だからそんなに・・・」


 哀れんだ顔をするな。そこで一番ショックを受けているのはこの僕だと言うことを理解してほしい。せっかく異世界に来たのに使える魔法は初級魔法のファイアだけ。出せるのだって料理用の火が使える程度。哀れまないでくれ。


「大丈夫ですよ!! どんなときも僕が守りますからね!!」


 やっぱりネモ君だけが僕の味方で救いだよ・・・。ネモ君。ネモ君・・・。


「佐藤、今日はここでおやすみなのですか?」


 口の中にたくさんスープを含みながら彼女は聞いてきた。本当はもう少し進みたいところだが急ぎすぎるのも良くない。


「そうだな、ここで休むなら明日の昼過ぎには着くと思うし。ここで休もうかな」

「分かったのです! 見張りは佐藤と我で我慢するのですよ。だからゾーエとネモは寝てていいのですよ! 感謝してほしいのです」


 アーネが自分から見張りをやるなんて珍しいこともあるんだな。本当に明日中に着くのか少し不安になってしまうくらいに。

「アーネに貸しを作るのは尺でございますが今日のところは甘えさせていただきますわ」

「師匠とならボクが!!・・・。と思ったのですが今日は少し疲れているので嫌だけど頼むよ」


 二人はどこか不満げな顔をしながらもこの長旅に疲れているのだろう。アーネと僕に託して先に寝ることに。


 いつもはネモ君とばかりだったからか、アーネと二人で見張りというのは少し新鮮な気分がする。まあ、僕は起きているだけで隣が誰であろうと見つけて起こしてしかできないのだが。

 隣にちょこんと座っているアーネはいつも起きているはずのない時間のせいだろう。目はトロンとしており、今にも寝てしまいそうにぼーっとしている。


「おーいアーネ。寝るんじゃないぞ? 寝たら誰がみんなを守るんだー」


 僕は彼女のほっぺを軽くつねりながら声をかける。痛かったのかすぐにムッとして


「レディのほっぺをつねらないでほしいのですよ。お嫁に行けなくなったらどうするのですか! あと少しは戦えるようになってほしいのですけどね」


 つねられたところを小さな左手でさすりながら言い返されてしまう。


「寝てなきゃいいだけだからな、領主様の娘なら一人や二人は多分来るから大丈夫だよ。安心しておけって。戦いたいのはやまやまだから。触れないで」

「ってうとうとしていたら大事な話があったのに忘れてしまったのですよ!! どうしてくれるのですか!!」


 彼女はかなり本気の殺気を発しながら詰めてくる。目が魔力で充血するくらいに。


「人に責任転嫁して殺そうとしてくるのはおかしいだろ。のんびり夜を過ごしながら思い出すしかないだろう」

「そんな余裕はないのです! もう我は寝るのです! おやすみなさいです!!」


 本当に性格は子供のままなんだから。少しはってここから一人で見張るの?! なにもありませんように・・・。



 この夜は久しぶりで一人の見張りになったが何事も起こることはなく日が昇ってきたのだった。しかし、これはアーネの引いた魔方陣のおかげだとは知らずに。


え、久しぶりですね。死んではいないです。なんとか更新しようという気はあります。がんばるます

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