続 喧嘩
ということで新メンバーとともに冒険をしなくてはいけないのだが僕たちにこんな子としている余裕はあるのだろうか、と言うよりなぜにこんなことをしているのだろうか。
友達が増えてうれしそうなアーネ、いやいや着いてきているゾーエちゃん、女子が増えてやりにくいのか僕から離れなくなったネモ君。僕は子守をしているのかね。
子供とは言え、僕なんかよりもよっぽど戦える三人がいるわけだ。頼ることになってしまうが子守のお駄賃だと思って甘えよう。
しかし例年の行事のような闘争とはなんなのだろうか。エルフが・・・・・・。というよりはこの街の人間が喧嘩をふっかけているのだろうが。なんでそう思うかなんてここまで見てきた人が聞くような質問ではないでしょう。
「そんなに毎年毎年何を喧嘩してるんだ? 領土争いでもしているのか?」
「佐藤はなんですぐに物騒な考えをするのですか? 我々がそんな危険思想に見えるというのですか?」
「はい」
「はあああああ!! 佐藤の目は曇っているのですよ!! 目ん玉洗い直した方がいいのですよ?? それとも我の強大なる魔法で・・・」
こういうところが物騒だって言っているの。それがアーネだけじゃなくてみんなだからそう思っているの!
「アーネはまだまだ子供ですわね、もっと大人な対応をなさってみては??」
「ゾーエだって本当は我がうらやましいことくらい分かっているのです! 素直になればいいのですよ!」
彼女はにやりと笑ってみせる。今までに見たことないような顔をしているが・・・。これ以上はやめておこう。
「あなたに私の何が分かるというのかしら? 私よりも下等魔法使いさんっ」
「な、なんですとおおお! 今我のことをなんと言いましたか! 我は領主一族の可愛い一人娘なのですよ!」
「「自分で言うんかい」
「佐藤とゾーネ二人でかぶせてなんなのですか!! 売られた喧嘩を買うのは我々の流儀!! 買ってやろうじゃないのですか!!」
「売ってもいない喧嘩を買うなんてやっぱりあなたはまだまだお子ちゃまなのよ。でもいいわ。乗ってあげようじゃないの!」
まてまてまて、なんで喧嘩の仲裁をしに行く奴らが始まって早々にここが喧嘩の本丸になっているのだ。それだけはおかしい。
「あのお二人とも。ちょっと話を聞いてくれないかい?」
「いま」
「大事なところなのです!」
「「止めないでください」」
「いやいや止めるよ。これから喧嘩の仲裁しに行くのになんでここで先に喧嘩を始めているんだい。その力はあとできっと発散できるから、大人しくしなさい!!」
「佐藤がそこまで言うならいいのですが」
「アーネは佐藤には素直にしたがうのね。ちょっろ」
「どっちでもいいんですけどしょうもないですね?」
予想もしていなかった第三の刺客が、いることが空気になりかけていたネモ君が挑発をしてきた。しかも満面の笑みで。
「「ガキはだまってなさい!!」」
ネモ君のおかげで二人は団結をしたが、新しい敵が増えただけだったのだ。
おそくなりましたごめんなさい、まさか三ヶ月も開いていたなんて。