この世界の不思議??
「「「ええ??????」
ちょっと待ってほしい。色々理解が追いつかない。近隣にエルフがいたことも驚きだし、喧嘩していることも驚きだし、その仲裁に外部の人間を使おうとしている神経も驚きなのだが。
「えーっと・・・・・・。喧嘩の仲裁? エルフ? ちょっと理解が追いつかないのですが」
「言ったままなのだがもう一度言った方が良いか? 近隣のエルフと・・・・・・。」
「分かっています。分かっているのですがちょっと色々理解が出来なくてですね」
「そうなのか? 我らからするとよくあることなのだが」
よくあること? 近隣のエルフとよく喧嘩するのが良くあることなのか? まあ、僕もこの世界に来てまだエルフを見たことが無かったのだがそんなに血の気が濃いのだろうか。
「なあ、アーネちゃん! よくあることだよねぇ!!」
「そうなのですよ、この街の風物詩くらいなのです。エルフとの闘争はお祭りみたいなものなのですから」
ちょっとまて、さらに理解が追いつかなくなった。え、よくあること? 風物詩? 闘争?? やっぱりこの街嫌い。
「僕も聞いたことがあります! 近くにいるとこの時期は花火大会ということでお祭りをしているとか。闘争だったのですね!」
この世界の普通なのか? この街の人がエルフと喧嘩をするのは。
「ま、まあこの世界では風物詩だと言うことは分かったのですがそしたらなぜ僕たちが行かないといけないのでしょうか。毎年やられているならいつも通りにやられるのが一番なのでは・・・・・・。」
なぜか領主様はぽかんとした顔をしている。この顔はどういう顔なんだ。また変なことを聞いてしまったのか? もうわからない。嫌だ。
「えーー。飽きたから」
もうここまで来るとなんでも驚きもしない。飽きた。彼はきっとそう言っていた。
「飽きたからと変えて良い物なのですか?」
「多分大丈夫だよ。たまに死人が出てしまうのだけど愛しのアーネちゃんもいるし、頭の良い佐藤君もいるし信頼しているよ!」
「その信頼はとてもうれしいです。しかし、僕は魔法が使えないのですが大丈夫でしょうか?」
「多分っ!」
お父さん、お母さん。そして、置いてきてしまった山田、今野。僕はここで死ぬみたいです。もう一度会っておきたかったな。せめてもう少しまともな理由で死にたかったです。
「まあ、うちのアーネちゃんがなんとかしてくれますからね~!」
「そ、そうなのですよ! なんでこの世の終わりの様な顔をしているのですか! 我がいるのです! 不安なんてないでしょう! そうでしょう!」
「君も不安材料の一つなのよ」
「師匠! 僕もいますので!!」
「君たちセットで不安だからね?」
「「え・・・・・・」」
なぜ僕たちは大丈夫だと思っていたのだろうか。そしてこのやりとり何度目なのだろうか。もう決意を決めるしかない。
「わかりました、行きます!」
「そうというと信じておったぞ! では早速準備じゃ!!」