久しぶりのアーネパパ
二人のガキ・・・。もとい天災魔法使いと博識少年の二人と出かけるとなぜかいつもよりも疲労が数倍かかってしまう気がしている。とはいえ連れて来たのは僕なわけだし、なんとか制御しなくては・・・・・・・。
ということで今日は本番でもあるアーネ父である領主様に謁見です。アーネがいるおかげで多分失敗しないとは思っているのですが一抹の不安は残りながらも行って参ります。
「佐藤、大丈夫なのですか? 別に会うのは今日が初めてな訳でもないのですしそこまで緊張しなくても良いのですよ?」
「なんだろうね、君たち二人が二人でいると言うことに不安を感じているのだよ。もちろんアーネのお父様に会うことに緊張していないわけでは無いけどね」
「「それってどういうことですか!!」
余計なことを言ってしまったかも知れません。二人の目からなにか殺気だったものを感じています。
「まあ、僕のせいというよりもアーネのせいだと思うので大人しくしておいてくださいね」
「何を言っているのですか? もちろんネモのことを中心に言っているのだと思うのですよ。今回は我のホームなのです! 大人しくするのはそっちなのですよ!」
しっかりと余計なスイッチを入れてしまっていたようです。こうなった二人を制御出来るほどの力と経験はまだ僕にはありません。助けて・・・・・・。
領主の部屋の前で喧嘩を始めてしまったなか頑張ってなんとか抑えて二人を落ち着かせる。
深呼吸をして、部屋へと入る。
「こんにちは、お久しぶりです」
「おお! 久しぶりだな!! アーネとえーええっと。。佐藤だ! とその従者どの!! よくぞ来られたな」
「覚えていただいていてうれしく思います。本日は頼み事ございましてこちらまで降りて参りました」
「えーっと従者じゃなくてネモって……。」
なにかを言いかけているネモ君の口をすぐに塞ぐ。アーネの家族なんてみんな気分屋なのだろう。機嫌を損ねてはいけない
「ほほう、そうだったのか。出来ることならば何でも聞いてやるぞ?」
「ありがたきお言葉です。それでは早速なのですが工事に関して上の人間だけでは足りなくてですね、少しお手伝いをしていただけないかと思いこちらに参りました」
彼は一瞬顔をくもらせ、話を切り出す。
「そうだったのか、貸し出してやりたいのはやまやまなのだがな。少しこちらも今は人手不足でな。それをお主らが手伝ってくれるのなら考えてやっても良いぞ」
なるべく早く帰りたいがここは聞くしかないのだろう。
「かしこまりました。僕たちに出来ることでしたらお手伝いしましょう」
「本当か!! それは助かる! それでは早速行っていただこうかな!」
承諾されることが前提で準備をしていたのか? 頭は良い種族と聞いてる。交渉もすんなりと終わってしまった。しかし、何をさせられるのだろうか。
「それではさっそく行っていただこうかな、近隣のエルフとの喧嘩の仲裁に!」
「「「ええ??????」
エルフが出したかった。また脱線……。。。