お嬢様アーネちゃん
昨晩はこっぴどく叱られてしまったが所詮相手はロリっ子。一晩も寝ればすっかり忘れている……、わけがありませんでした。
とりあえず僕とネモ君の朝ご飯は猫用のお皿に入れられた牛乳だけでした。いちおう机の上には置いてもらえているので人間としては最低限見てもらえているみたいですが、下手な行動をしようものなら殺されるのは間違いありません。ネモ君と顔を見合わせてから息をのんでアーネを待つ。
侍女が扉を開く。やっと来たのかと思いながらも恐る恐る扉の方を見ると。
「あ、佐藤様、ネモ様、おはようございます、ご機嫌麗しゅうございますわね」
そこには着せ替え人形の様に着飾られたアーネがいた。こんな清楚な見た目のお人形さんが誰なのか一瞬分からなかったが、使い慣れない敬語を必死に使っている感じから気づくことが出来た。
「どうされたのですか? もの珍しい物を見るご目線は。なにか我……私におついているとでも?」
話し方が非常に物珍しく僕のツボではあるのだがなんとか笑いを耐えながらもからかうことに決めた。
「見とれてしまって申し訳ございません。入って来られたお嬢様がとても美しくて見とれてしまったものでして」
「そ、そうなのね、しょうがないわねっ!」
顔を真っ赤にして照れている。そしてさっそく敬語が崩れてしまっている。
「僕の仲間の方と似ているのですが失礼ですが僕はそちらの方が元気旺盛で僕は好きでございますね。でも、お嬢様を大変美しゅうございますよ」
「そ、そうなのね。きっとかわいいんでしょうわね!」
「そうですね! 大変可愛くて……」
「あーもうやめなのです! 我にこんな格好は似合わないのですよ!! 従者がお父様に会うとはいえ、仕事として会うから正装でというから着たのです。無理なのです!! 昨日のことは……。。。佐藤に関しては許してもいいのです・・・。特別なのですよ!!」
照れっぱなしのアーネを見て笑いをこらえきれなかった男が僕の隣に一人だけいたのだが、彼が塵となりかけるくらいの魔法を掛けられかけたお話はまたにするとしよう。
やっとここからが本題になる。アルバイトを募集する。それだけなのだが。ギルドでは無く、王様に許可を取らないといけない。僕たちの計画に関して、協力をしてもらえることになっているのだが何せアーネの父親である。不安でしか無いのだ。
「アーネ、何か気をつけることはあるか?」
「特に無いと思うのです。最近は機嫌も良いと聞いています。なによりこの我が帰ってきて直々に頼むのです! 成功率1%未満のバイト公募の依頼でも成功しか見えないのです!」
「まあ、そうだよな。溺愛している娘に頼まれるんだもんな。成功しないわけがって。なんて言った?」
「成功率1%未満ですか? 大丈夫ですよ!」
「不安しか無いんだけども」
「師匠とアーネがいても厳しい気がしますよ」
「まあ、そうですね・・・。ネモがいると減点要素かも知れないのですね」
「何でだよ! 師匠には僕がいないとダメなんだよ!」
僕としてはそんなことはないのだけどもアーネと二人よりは三人での方がうれしいくらいかな。でも口にだそうものなら、今度はただでさえ劣勢のネモ君がすねてしまうだろう。子供の扱いは難しい。
「まあ、いてくれるとうれしいかな、二人よりも三人いた方が有利だしね」
「本当ですか?! うれしいです!! ほら! 必要って言ってくれていますよ!」
「ま、まあ佐藤がそう言うならしょうがないのですね。ふんっ!」
本当にいつになったらこの子達はなかよくしてくれるのだろうか。
一ヶ月ぶりです! 二月が短いことを忘れていたのでギリギリ……。もっと定期的に頑張ります。
そろそろ脱線も抑えてちゃんと線路を走らないといけないなと思っておりますのでまた脱線する予定です。三人でもう少し冒険して貰おうかなと。。
山田君と今野君元気なのでしょうか。
ではまた来月! とならないように頑張ります!