人気者アーネちゃん
いつもの如く勝手に喧嘩を始めてしまった二人の頭を抱えつつ、街へと入る。いつか二人が仲良くなる世界線が……ないか。
こう、なんども街に来ていると門番などは顔見知りになっていた。
「お、また来たのか坊主。今度は何を謝りに来たんだ??」
「あ、お疲れさまです。誤りにって……。毎回謝ってるみたいなキャラじゃないですから。ぼくは」
「ハッハッハ。そう怒んなさんなって。っとアーネ様ではないですか!! 一緒に来られていたのですね!! お久しぶりに会えました! しかし、本当に一時期よりも来てくださる回数が増えてくださり光栄でございます!!」
そういいながら彼は深々と頭を下げる。本当にこの街ではアーネの評判が高いのだなと思ってしまう瞬間である。
「ありがとうポランコ!! 我も久しぶりにあえて嬉しいのですよ!! 元気にしていたのですか? まあ、それはこの男がこっちの方で仕事をしているからなのですよ」
「ああ!! 我の名を覚えていてくださったのですか!! この男ポランコ……感激です!!」
もれなくこの男もこの街の人気者アーネ様の虜なのだろう。ったくこいつの何がいいのやら……。どうやらそう思っているのはこの辺りだと僕とネモくんしかいないようでどんどんと人が集まってくる。人気の少なかった門の周辺にはたくさんの人が集まっていた。人が増えるにつえ、僕達はどんどんと引き離されていく。最終的には門を塞いでしまうほどの盛況である。
蚊帳の外になってしまった僕達はとりあえず先にギルドへ向かうことに。
「にしてもなんであいつはあんなに人気なんですかね。僕からしたら師匠のほうがよっぽど大人で何でも知っていてすごいと思うのですが」
「あーアイツってアーネのこと? お、なんだ。嫉妬か?」
「そういうのじゃないです! 僕は、ただ、、、師匠のほうがすごいのになって思っているだけなので!」
「ありがとうね。まあ、でもこの街では魔法が強ければ強いほど偉いみたいだからな。僕なんて初級魔法すら覚えてないからな。ってかそこまでMP? っていうのもないらしいしなぁ」
そういいながらポケットの奥の方に入れっぱなしになっていたスキルカードを取り出す。そしてそれを見ながらぼそっと独り言を言う。
「なにせ適正は商人だからな。MPだってかけらもないよ。まあ、でもこの世界にいるうちに一回は魔法使ってみたいかな……」
それを見たネモくんは僕の視線に入り込んできて
「じゃあ、覚えてみますか?? ヒールとか簡単なもので良ければ」
「簡単に覚えられるのか?」
「人にもよりますが……。師匠くらい頭が良ければ簡単に行けると思いますよ!」
「本当に君はいい子だよ。大人になると褒められることがなくなるからね。ネモくんみたいな子がいると本当に元気もらえるよ」
そう褒められたネモくんはとても嬉しそうにニヤニヤとしていた。
じかんみてい