説教
「佐藤班長!! 佐藤班長はいますか!!」
そう、なぜ僕たちがここにいるのかの理由をすっかり忘れてしまっていた。よくわからない会議に出たまでは覚えている。だが、そこから山田がやらかしたり、アーネがやらかしたり、僕が……だまされたりと寄り道が過ぎてしまっていた。ということで多分偉い人が怒っているのだろう。そして、その怒りが爆発したがためによく知らない下っ端が僕のことを慌てて呼びに来た。というわけだろう。
ということでただいま、全力で本部に連行をされています。説教でしょうか。そんなに時間はたっていないはずですが……。
「寺田班長! やつを連れてきました!!」
やつと呼ばれているらしいです。僕。大丈夫でしょうか。
「どこに行っていたのです!! 数日だけ席を外すと聞いていたのにもう一週間も……。時間ないんですよ? 分かってます? 自覚してます? 責任者がいない現場がどうやって回るんですか! 反省してください!」
強気モードの入っている寺田班長は誰にも止められないと聞いてはいたが本当に泊まることを知らなかった。アーネ達にされた、死んじゃったドッキリなんかよりもよっぽど精神に来る。
寺田班長はこのまま説教を続けていたが現状についても説明をしていた。
「この街は一応少量ですが鉄の採掘をしています。ですが、この計画を遂行するにはまずこの規模を大きくしなくてはいけません。というか今後使われるのでしょうから半永久的に採取出来る環境作りが必要なのです。それが整って初めて計画に着手するという訳なのです。それなのに目の前に計画ばかり。そのあげく仲間と遊びほうけているなんて言語道断なんです! 分かりますか! あなたがいない間、私がどれだけ働いていたことか。分かりますか?! あなたがどうしてもというから私たちだって頑張っているんですよ! それなのに何をしていたんですか! 教えてほしいものですよ! だからって言わなくていいですからね? そんなの聞いている暇はありませんから。とはいえ、私たちは優秀ですから。これくらいのことド素人のあなたがいなくても進むものなのです。というかあなたは他方との交渉用の顔役のようなもの。お飾りです。なので、お飾りはお飾りらしく下の町で求人募集でもしてきてほしいんです。いいですか? こんな簡単な仕事でいいと言っているんです。しっかり頼みますよ! 本部長?」
彼女のマシンガンのような説教が終わった。挙げ句の果てに僕はお飾りだと。この一言が僕には一番効いたのだがとりあえず仕事を任されたわけだ、やれることを着々と進めていこう。
久しぶりに脱線から戻ってこれたような気がします(約半年ぶりらしいですね。すみませんでした)
説教というなの振り返り会。自分への戒めをこめて。