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異世界鉄道  作者: 山川 ぼっか
ここは二ホン??
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凶変?? 今野様

 僕はいまだに正座をして反省をしている今野のところへと向かう。記憶が未だに曖昧だとはいえ、理不尽にも泣かせてしまったのだ。誠心誠意を込めて謝るしかない。彼女は笑っていてキラキラしていてこそなのだから。落ち込んでしまっているのは彼女ではないと僕は思うから。


「あ、あの今野……。大丈夫か?」

「すみませんでしたすみませんでしたすみませんでしたすみませんでした」


 相当彼女のことを傷つけてしまったみたいだ。許してもらえるだろうか。


「あの、な。昨日色々言ったみたいなんだよな。僕も覚えていなくてさ。みんなから話を聞いたんだよ。そしたら理不尽に怒鳴り散らしちゃったみたいで、本当はそんなつもりは無いからもう謝るのはやめてくれないか」

「謝らなくて……いいんですか??」

「そう、謝らなくていいから。なんなら僕が悪かったよ。昨日は色々あってさ。八つ当たりしてしまった。完全に僕の落ち度なんだ。頭を上げてくれないか」


 彼女はビクビク震えながらもか細い声を絞りながら


「謝らなくていい……?」


 そう一言だけを紡ぎ出す。


「そうだ、そう。謝らなくていい。昨日のことは忘れてくれ……。簡単に忘れられない出来事だったかもしれないよな。そうだよな。本当に申し訳なかった」


 僕は彼女に向かって全力で謝る。全力の謝罪は一つしか無い。土下座をする。


「佐藤先輩の土下座……。私、始めて見ましたよ」


 彼女は軽く笑って見せる。あと、もう一歩だ。


「僕は、頭を上げても大丈夫かな?」

「え、ダメですよ。理不尽に怒り散らかしたのに先輩が同じ目に遭わないなんてずるいですよね? せーんぱい」


 あれ、流れ変わりました? 許してもらえて、解決やったね! という予定だったんですが……。彼女のリミッターが解除されてしまったのだろうか。しかし、土下座して地面につけている顔がなにかに踏まれているような。


「佐藤先輩……。私がどこまで傷ついたか分かっているんですか? 分かっていないですよね? 心の中ではあれ?とか思っていますよね? その軽い考えがダメなんだよ! はあ、女のこと甘く見すぎなんですよ。私って、そこまで簡単な女に見られていたってことですよね。はー。先輩って彼女いたことあるんですか? 無いですよね? 仕事と勉強ばっかりだったって噂聞いたことありますから。きもー。」


 彼女はそういいながら僕の頭をぐりぐりと足で踏みつけてくる。


「どうしたんですか? 反論してくださってもいいんですよ? あ、口が動かないんですね! どうしてですかね。なんでこんなことになったんですかね。もう一回謝ってくださいよ。そしたら私も許せます」

「も…う…し…わ…」

「聞こえないんですけど! もっとはっきり話してもらえますかぁ?!」


 こ、この子……。こんな子でしたっけ。私、不安になりそう。。

 そして、僕の髪を煩雑につかみあげる。彼女は僕を見下すように顔を傾けながら


「これで、あやまれますよね。せーんぱい」

「す、すみませんでした」

「ちゃんと言えました。えらーい!……。わ、私ったら何を!! え、先輩大丈夫ですか??」

「だ、大丈夫です……。今野さ……ま」

「今野様ってなんですか! 私後輩なんですから様付けはやめてください!!」

「あー! 先輩!! 起きてください!! 先輩!!」

たまにはこんな今野様もありなのかな?

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