やっぱりお前か!
酒場へと入ると聞き覚えのある声の二人が騒ぎを起こしていた。
「はあぁ? あんた警察官のくせに何を言っているの?」
「あんたこそ国賓だからって態度がでかいのよ!」
おーっとこの声知ってますよ。見つかったらめんどくさいやつですよ。これ。
という僕の考えを無視して山田は二人に近づいて行ってしまった。「やめろっ」と声をかけようとしたものの周りの野次馬の声が大きくて届くことはなかった。
「なにしてんだ~」
「おっ! 私には援軍が来たわよ? あなたは誰も来ないんでちゅね~。フヒヒ」
「所詮一緒にいるだけの仲間じゃない。ってか頼れそうなあの男はどこよ。こんな奴が頼れるんですか~?」
「んだと?! ほら! 頼れる男、出てやってくれよ」
山田はそういうと佐藤のいる方を指さした。野次馬たちは僕から少し離れた。そして僕を見るようになった。
最悪な展開ですわ。なんでそうなるわけ?予定だったら野次馬に紛れて何とか過ごすつもりだったのに。あれ、周りの人の目が痛いですね。
「なんだよ。ってか警察官がこんなところで騒ぎ起こしていいのかよ」
「え? そんなの権力でなかったことにするのよ」
「お前って結構最低な部類の人間なんだな」
「はぁ?! ってか私の擁護をしなさい! これは警察署長命令ですよ!」
「職権乱用するんですか?」
「ランヨウ? とやかく言うと牢獄にいれるからねっ!」
酒に溺れているせいで何を言ってもしょうがないと感じた僕は日頃の恨みを晴らしてやろうということも思ったのでスーッとエルビットの後ろに回った。
あんなやり取りをしながらもずっと一緒にいた仲間だから援護してもらえると思っていた二人は愕然としていた。
「あ、僕はこっちに着くんで」
「なんでだよー!」
「こっちにつかないんですか?!」
「また犯罪者になりたくないもん。ってことで」
「ってことでじゃないですよ!! 私たち仲間でしょ?」
「あぁ」
「じゃあこっちに…」
「それは違う」
「なんでですかー!!」
「わかってるのか。僕はここに情報収集しに来たんだよ。なのになんだ? 入ってみたら仲間が問題起こしてる? しかも警察官と! 知らない振りしようとしたら絡んでくるし? ってか署長が巻き込んだじゃねーかよ! ったく僕の周りにはろくなやつがいないのか!!」etc…
と説教を始めるとそのまま椅子に座らせた。最初はすぐに終わらせるつもりが出してもらった水だと思っていたものがお酒だったために酔ってしまった。そのままかれこれ半日間続いてしまった。
「佐藤。もうそれくらいにしとかないか? 二人とも涙が枯れるだけ泣いたぞ」
「はぁ? じゃあもう一生涙が出ないくらいにさせてやろうか!」
「そんなにお前って鬼畜だったか? もうやめて帰るぞ」
「甘ったれんなよ?! じゃあ今度はお前の説教をしてやる!!」
その後、日をまたぎ朝が来るまで説教は続いたそうだ…
今更ながら初めまして。作者の山川ぼっかと申します。自己紹介はこれくらいにして置き、まずはここまで読んでいただきありがとうございます。つてない文章ではありますが楽しんでいただけているでしょうか。ぜひ、よかったところ、悪口などetc…いただけると作者はよろこびスクショを取ります。そしてニヤニヤします。作家活動は確実に趣味でやっているのですが、少しでも見て頂けると大変うれしく思います。この作品を続けて行けるのは読んでくださる方のおかげです!是非続きも読んでください。長文失礼しました。