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異世界鉄道  作者: 山川 ぼっか
ここは二ホン??
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 勝手にケンカをし出した二人をよそに未だに飲み続けている今野と山田のところへと向かう。机にはいっぱいの酒とつまみが乱雑に並んでいる。そうとう悪い飲み方をしていたのだろうか。


「えーっと、こんにちは…。お二人は何をしているのかな?」

「あ、佐藤じゃねーかっ! やっと飲む気になってこっちに来たのか??」

「あーさとうせ-んぱいっ! 私今野…山田先輩、アーネちゃん二名発見いたしましたっ!!!」


 彼女は急に席を立ち上がり、僕に向かって敬礼をしてくる。彼女はこんなに悪酔いをするような人であったのであろうか。とりあえず、敬礼だけは返しておく。


「今野君、ご苦労…。ではないよね? 見つけ立ってかなんで二人と一緒に飲んでいるのかな」

「作戦であったのであります! 後もう少しで連れて行けるところで先輩とネモ君が来たのでありますうう!」


 なんなのだろうかこの子は…。


「本当に連れてこようとしていたのかい」

「はいっ!」

「そこまで酔っ払いながらも?」

「はいっ!」

「何杯飲んだ?」

「はいっ!」

「なにをしていた?」

「はいっ!」


 もうこの子との会話が成立しない。とはいえ、それでも彼女が見つけたのは間違いない…のか。だとしても、この騒ぎのままだと山田の噂を駆けつけて来るかもしれない。その前になんとかこいつら…というか山田をどうにかして隠すしかない。どうするべきか。


「ったくさっきから二人と女遊びをしていないで久しぶりの俺と飲もうぜ?」

「今野とアーネと話しているだけで女遊びって言うな。仲間だからな? ってかお前、自分の状況分かっているのか?」


 彼の真っ赤だった顔から急に血の気が引く。さすがに理解をしているのだろうか。そして神妙そうに話をする。


「ああ、俺だってさすがにそこまで馬鹿じゃない。こんなに人が集まっている時点で…」

「時点で…?」

「最高だよな! やっぱり酒盛りは人数が多くないと! 楽しまないと!!」


 ああ、ダメでした。彼もダメでした。もういっそのことこのまま刑を執行して貰った方が彼のためなのではないのだろうか。


「あのな、全く分かってないから教えてやるけど…」


 僕はそのままここまでの状況を説明する。そして、重大犯罪者になってしまっていると言うことも。


「おい…、それって本気でやばいじゃねーかよ。早く、こんな街からは逃げるぞ」


 そう言うと彼は机に残っているお酒を飲めるだけ、飲んだ上で店から逃げようとする。食い逃げという罪を増やさないでほしいのだけれど。


「さあ、いくぞっ!」


 そう彼が仕切り、店から出ようとすると


「山田たいちさんで間違いないですね? ご同行お願いします?」


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