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異世界鉄道  作者: 山川 ぼっか
ここは二ホン??
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判決後

 完敗だった。見えていたことではあったが、反撃むなしくなすすべなく負けてしまった。理不尽サイン版は山田の刑が執行されると言うことで決まってしまったのだ。


「佐藤先輩、頑張りましたよ! というか元々はお茶をこぼして逃げた山田先輩が悪いんです! 佐藤先輩は頑張ったんですから気にしないでください!」

「あれだけで死刑って言われた上に山田が殺されそうなのにさすがに気にしないのはきついぞ」


 死刑か…。お茶をこぼしただけで。にしても裁判の中身はもちろんひどかったのだが、これだけの。ちょっとしたミスでこの判決はひどすぎやしないか。結果として出てしまった以上、もうどうしようにも出来ないのだろうか。しかし、僕がここにいる期間もあまりなく、コネなどと言うのはない。こんなところで大切な仲間、いや、友人を亡くしてしまうのは惜しい。しかも異世界に来てまで日本人に殺されるなどあいつ自身がいやだろう。というか山田は見つかったのだろうか。


「そういえばさ、山田って見つかったのか? まあ、見つかったからこうやって裁判をしているんだろうけど本人も出させないってさすがに酷いよな」


 彼女は素っ頓狂な顔をする。まさかだけど…。


「見つかったんだよね?」


 どうしても目を合わせようとしない。


「何か知っているなら話すべきじゃないかな?」


 それでも、鳴りきらない乾いた口笛をしながら、目を泳がせている。


「本当に今野は嘘をつけないと言うか…はぁ」

「嘘も何もまだなにも言っていないじゃないですか! 酷いです!」

「じゃあ、なんでさっきから目をそらしたりしているのかな。何か知っているんだろ?」

「なにも知らないんですけど聞いた話だと見つかってないけどとりあえず極刑を出しておけばあぶり出せるだろってさっきの裁判長の人が言っていたような…いなかったような…。ちなみに口外するなとも」


 裁判長。色々ダダ漏れていますが大丈夫でしょうか。にしてもあぶり出すための裁判だったのか。それならもしかしたらこの判決も冗談だったりしないだろうか。焦って出てきたところを問い詰めて謝って終わり。それが理想の展開なのだが。

 だとしても、今回の裁判の中心人物が裁判長だったとは。わざわざ、検察側に見せかけるとかどれだけ性根が悪いのやら。


「で、口外しちゃった今野君はどうなるのかな?」

「え、私悪いことしちゃいました? 山田先輩に続いて私まで消されちゃいますかね。佐藤先輩どうしましょう!」

「お前さ、楽しんでるだろ?」

「え?」


最近この終わり方が私のなかで流行り??

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