原点
「ここなんかはどうだろうか。我の感さえ合っていればいいところにつながると思うぞ?」
アーネのパパ上はそういうも何がいいのか僕には全く分からない。首をかしげていると
「ソーネちゃん、ここに小さい魔法を撃ってくれる?」
そう言いながら彼は真上を指していた。ちょっと待て、下手するとこのトンネルが崩壊しかけない…!
「そこを狙うのは下手するとここが崩壊しかけないです! さすがにちょっ…」
「ふーんっ!」
アーネは小さくていいと言われたのにも関わらず全力で魔法を放つ。あああああもう終わりだああああ…。。。
あれ、生きている? 死んでない?!
「ちょうどいい穴だな。そーねちゃああああん!!よくやったよおお!!」
「はいはい。ありがとうなのですよ。やりすぎたと思ったのですが…」
あれ、本当に死にかけてたの? 僕たち…。で、空いた穴の方から光が漏れてきている。
「ここはどこにつながっているんですか」
「ここは川から離れているうえに我々の領土に近づいているところだ。きっと地盤も安定していると思う」
本当にこの人は何でもできるんだなぁ。ソーネを溺愛しすぎてたまにおかしくなってしまうけども…。
アーネのパパ上だけが外に出て、穴の上に向かう。まだ、信じてはいないが本当につながっているのだろうか…。数分ほど待つと光の穴がふさがる。何があったのか気にしてみると
「どうだい? 我の声が聞こえるかな??」
聞こえてきたのはアーネのパパ上であった。本当に川の手前につながっているとは…。しかも、崩れてくる気配もない。ここならいける…!
「しっかり聞こえていますよ! しかし、本当にすごいです! ここなら僕たちの計画は大丈夫ですか??」
「ああ、ここならそう目立つこともないだろうし大丈夫だろう!」
一時はどうなるか分からなかったこの計画もなんとか実行に移せる。あとは、ソステヌートに戻って打ち合わせるだけ…! さあ、これからだっ!
「ちなみになんですけどまあまあここまで歩いたのによくそんなに早くこの穴の上につきましたねー?」
「当り前であろう! 久しぶりに転移魔法を使ったからな!」
「そうなんですか! さすがですね!」
「それほどでもないぞ!」
「「あっはっはっはっは」」
んん、ちょっと待てよ…? なんで僕たちは鉄道を作るんだっけか…。こんな簡単に転移魔法が使えるなら必要ないのでは…。ふと、この計画の原点を思い出していると風に乗って飛んできた布切れが僕の顔に当たる。
なんだ、これは…。
「パパー? 服はどこにやったの??」
「下のどこかに落ちちゃってるかも~!」
おい。
原点って最後だけなんですよね。たまには体を張って自分たちのやっていることを思い出してもらいましょう…。