隠し通路
最近、感情を失うことが増えてきている。失うというカ呆れる、なのかもしれない。そして、今僕はその現状にぶつかっているのである。
「えーっと。。というのは」
「そのままの意味なのです。この状態のパパはもう使えないも同然なので…。今ので悲しまないのでほしいのですよ? 佐藤とネモにも出口探しを手伝ってほしいのです」
「うん、でもここまで来るのにも迷っていたでしょ? 僕たちというかアーネが…」
「もうなんでもいいのです。誰かが見つけて装置を切れば解決するのですから! なんでもいいのですよ!」
「それでもいいが僕や佐藤さんはそのボタンがどんなのかわからないですよ!」
久しぶりの登場だね、ネモ君。時間はそんなに立ってないけど懐かしく感じたよ。でも、頭の中を覗かれていないと思うと今僕は君が一番安心して何でも話せるよ!
「師匠。そんなに僕を見てどうしたんですか? え、急に抱き着いてくるなんて…!」
僕の思っていることが何もばれていないと思ったらついね。いい子だよ…君は!
「特に深い意味はないんだ。簡単に言うなら『安心』かな。まあ、いいじゃないか」
なぜか彼はとても照れているようだったがいいだろう。子供とハグなんてなんてことないでしょ。
「佐藤、我じゃダメなのですか…?」
「なんなの君は! 心読まれない安心感なんて一生感じれないから! ほっておいて!」
「そんなこと言わないのでほしいのですよ! ほら! 早く出口探しに行くのですよ! そう、ボタンは部屋に入ればわかりやすくおいてあるのでそれを押すのです! ほら! 早く!!」
と、急かされるまま僕たちはバラバラになって探索を始めた。ところどころには平然と仕事をしている人たちがいるのだが彼らはどういう神経なのだろうか。
しかし、この迷宮で一人はいい思い出がない。前回は闇落ちしたかのようなネモ君がいたりしたしな…。今回は何もないといいのだが。ん、何をフラグ立てしているんだって? まだ、僕の心を読むやつがいるのか!
予想に反して何も出てこない。だが、それがまた怖い。一人なのが寂しくなり、近くにいたメイドを捕まえる。
「すみません、今って多分通路がごちゃごちゃになっているのによく平然としていられますね」
急に話しかけられ、驚いてはいたが顔を知っていたのか話を返してくれる。
「あ、佐藤様ですね。ソーネ様に話は聞いたことがあります。そうですね…、よくある事ですし…」
やっぱりよくあることなのか。このお城で働くのも一苦労だろうな…。
「やっぱりそうなんですか…。大変ですね」
「そんなことないですよ? というかもう慣れましたし他にも…」
「他にも…?」
「あー…。ここだけの内緒にしていただけます?」
僕はコクリとうなずく。すると、彼女は周りを気にしながら耳元でこっそりと話を続ける。
「私たちの中でしか使われていない裏の通路があるんです。そこは城主様も知らないんです。というかばれたら本当に私たちの仕事が出来なくなってしまうのです。だから、誰にも言わないでくださいね?」
「そうなのですか…。ちなみに今回だけでいいので城主の部屋まで連れて行ってくれないですか? 今、そこに行くのが目標でして」
「いいですよ」
そう言うと彼女はまた、周りをキョロキョロと、警戒をしながら隠し扉を開ける。狭い通路ではあったが迷子にならないのなら便利な通路だと思う。そのまま、部屋の中へと入れてもらい、彼女とは別れるのだった。
しっかりと毎日投稿再開しますよ!