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異世界鉄道  作者: 山川 ぼっか
初めまして異世界
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お久しぶりです。

鉄道とは等間隔に設置された2本の鉄製の軌条レールまたはそれに代わる物を案内路として車輪を有する車両が走行する交通機関である。線路・停車場などの施設、旅客や貨物を輸送する列車、運行管理や信号保安まで様々な要素で構成される一連の体系である。(Wikipediaより)








 そんなことを説明したって分かってもらえるなんて思わない。この世界には馬車しかないのだ。どう説明しようか王との謁見が終わってからずっと考えていた。




「やっぱり話長かったな。まあこれでようやく飯にありつけるんだけどさ! って佐藤はそんなどころじゃないか」




 僕は真剣に考えてるのに。お前が僕に投げやったんだと言いたかったが適当なこと言われるのもと思った。そうだ、適当なこいつの意見を聞くのもいいかもしれない。そう考えた僕は彼にどうしようか聞くことにした。




「そうだよ。ってかお前なら鉄道をどう説明する?」




「えっ? 俺ならてきとうに線路を走る馬車とでも言っておくな!」




「やっぱり適当だな。でもその馬車っていう表現いいな。使わせてもらうぞ」




「おっ、そうか。使用料高いからな」




「だれがこんなので払うんだよ。ほら、そろそろ会食の時間だぞ」




 意外なことに彼の意見に助けられてしまいそうだ。




 その後、城のものが呼びに来てくれたので会場へと向かうことにした。先ほどから今野の姿が見えていなかったのだがその理由が会場にて分かった。




「あっ! 先輩~どうです? このドレス。お城の人がそんなズボンなんて出るなんてレディとして失格とかいうから借りたんです。」




「似合ってるじゃないか。でも汚さないようにな。英雄とはいえ金をとられるかもしれん」




「本当に先輩は堅苦しいですね。こういう時くらいは楽しみましょうよ」




 彼女には、はいはいと適当に返事を返した。




 その後、司会の人の乾杯のあいさつにより会食が始まった。しかし、こんなにも人がたくさん来るものなのかと驚いた。しかもどの人も貴族ですオーラが半端なかった。僕たちは場違いな気がしてしょうがなかった。あれ?二人がいないと思ったら…




 山田は食事を片っ端から食べまくっていた。予想通り。今野は、というとなんとドレス効果があってなのかいろんな貴族らしき男性に囲まれていた。こんな経験はなかっただろう。とても幸せそうな顔をしていた。そんな僕はあまり馴染めず一人で食事を食べいていたら。




「佐藤さん?」




 呼ばれた気がしたので声のする方を振り向くとそこには僕たちが助けた女の子。もといビオラがいた。




「おっ、久しぶりだね。やっぱりドレスを着るとお姫様みたいになるね」




「そんなことないですよ。しかし、お父様たちを見つけていただいたのに一旦逮捕されてしまったりとご迷惑をお掛けしました」




「全然平気だよ。できない体験がいい意味でも悪い意味でもたくさんできたしね」




 僕はにっこりとしながらそう返した。それを見て彼女は安心したのか、今までの際しい顔を辞めて笑ってくれた。




「ならよかったです。そういえば先ほどお父様が探しておりましたよ? 佐藤にテツドウとは何かを聞くのだ! って言っておりましたよ」




 そうだ。忘れていた。説明しなきゃいけないんだ。




「本当かい? じゃあ、会いに行ってくるよ。またね」




 彼女に別れを告げようとすると彼女は悲しそうな顔をした。不安になった僕は




「どうした?」 




 と聞いた。




「また、佐藤様に会えますか?」




 ここで、上目使いはずるい。卑怯だと思った。悲しませるのはよくないと思たので




「大丈夫。また会えるよ」




 と言って彼女が笑ったのを確認して国王を探すことにした。



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