プリプレイ
これを地獄と呼ばずして、何を地獄と呼ぶのだろう。
少なくとも、年若い4人の目にはそう見えた。
生まれ育った村に、最早面影は無く。
あたりは赤く、赤く染まっている。
その赤が、血の色なのか、炎の色なのかはもう記憶に遠い。
ただ、その色だけは、目に焼き付いて離れることはない。
そして、自分たちをこのような目に遭わせた者を、絶対に許さないと誓った。
これは、もう遠い日の記憶。
しかし、決して、忘れることの無い記憶――。
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GM:それでは、今回予告を読みあげようと思います。
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8年前のあの日、キミたちは全てを喪った。
焼け落ちる故郷の村を前に、キミたちはどうすることもできなかった。
8年前のあの日、キミたちはどうしようもなく無力だった。
だから、キミたちは力を手に入れた。
邪神と契約し、禁忌の力を。
――この凶行を引き起こした“神殿”に復讐するために。
一緒に生き残った幼なじみたちは、きっとキミたち2人のことを許さないだろう。
それでも、誰かがこの世界を正さなければならない。
例え、世界を裏切り、赦されざる傷を背負ったとしても。
アリアンロッド2E・リプレイ
『偽の聖女と黒の秘蹟』
冒険の舞台がキミを待つ!
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GM:はい。というわけで、今回のリプレイはこんな感じでいきますよ。事前に大体の“今回のキャンペーンでやりたいこと”は伝えたと思いますが、一応復習をしておこうと思います。
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■キャンペーンのコンセプト
・神殿に対する復讐をテーマにした、少しダークなシナリオ
・レベル的には一見弱いPCたちが、格上のエネミーを圧倒する
・普段のプレイではあまり使えないデータを存分に使う
■レギュレーション
・キャラクターレベル
5
・所持金
500G
■特殊ルール
・メインクラスのスキルとして、《スーパーマスター》を取得して良い。
・一般スキルとして、エネミー専用の《フェイス:●●》を取得して良い。
・通常の作成ルールとは別に《邪神の力》を3レベル取得して良い。
《スーパーマスター》:ひとつのクラスのスキルを全て修得できるスキル。当然ながら、シナリオのラスボス級のエネミー専用スキルである。
《フェイス:●●》:特定の神への信仰心を表すスキル。今回はエネミー専用のものということで、邪神を信仰していることを示す。
《邪神の力》:邪神の力を借り、自分の行動を問答無用でクリティカルで成功にしてしまうスキル。
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GM:何か質問はある?
アイネ:面白いことになってますね。
エル:要するに、俺TUEEEをする、と。
GM:うん、その解釈で間違ってない。立場的には、PC達が一見悪役だけど、正義の名を騙る神殿の暗部と戦うことになる。
アイネ:でも、神殿って悪い連中でしたっけ……?普段のアリアンロッドだと、PCに依頼をくれたり、協力してくれますよね?
GM:そこは、シナリオ内でもおいおい説明していきますが、今回のキャンペーンでは、色々な派閥があって、中には後ろめたいことをしている者たちもいる、ということにしています。
アイネ:OKです。