表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真導士サキと二つ星  作者: 喜三山 木春
第八章 因果の獄
65/121

あの日のかけら

 暗い


 真っ暗だ


 そこにあるのは、紅くこぼれる光だけ




 お行きと言われた


 いやだ、いやだと泣いたのに、つかんでいた手をほどかれ、さあお行きとそれだけ言っていた


 どこへとは言われなかった


 だから、ここにいる


 ここなら誰かがきてくれるかもしれない


 いつもみたいに迎えにきてくれるかもしれない


 どこにも行けない。行きたくない


 まだ小さいから。みんなと同じようにはできなかったから


 走って、走って


 隠れて


 決して見つかってはいけない


 見つかったら終わり




 本当は知っている


 ここから逃げる道があることを


 でも、待っていたいから


 ずっと、ずっと。迎えに来てくれるまで待っていたいから


 だって一人じゃ、さみしいから




 後ろで小さくあの子が呼ぶ


 逃げようと。一緒に行こうと、あの子が言う


 ちゃんと道に開いてあげる。ちゃんと出られるように塞いであげる


 ぼくならできる


 泣かないで。怖がらないで


 さあ、行こう



 行こうよ、サキ――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ