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スパイは誰が適任か
千間はそれから間を置き月影に質問した。
「それに月影君。晩餐会にそこの四人を参加させるつもりかね」
「はい」
「では西野の代理で誰かを晩餐会に参加させて不祥事の有無を判別することも可能か」
「そうでしょう」
「では誰を参加させる」
「誰とはどういうことですか」
「晩餐会の会場について調べました。会場は陰雷館という小さな旅館で部屋は十室と限られている。電話で予約の確認をしたら満室という答えだった。もしも西野がその十人にカウントされているなら残る席は一つだけとなる。捜査を担当する係も決まらなければ我々警察に情報を流すスパイも決まらない」
そう悩んでいた時に参事官の喜田がドアをノックした。