アリバイ
一通り容疑者に話を聞き終わった鮫崎と月影は合田と合流した。
「それでアリバイはあったか」
鮫崎は報告した。
「伊東は玄関の掃除をしていた。国枝は外を走っていた。北村は小説を執筆中。結城はパソコンでチェスの対戦をしていた。上条は音楽を聞いていた。明確なアリバイがないのは小野だけ」
「そのアリバイひっかかるな」
「どこがだ」
「それは・・」
そう言いかけた時ファックスが届いた。
「北条か。仕事が速いな」
合田はファックスを読んだ。
「後は筆跡鑑定待ちか」
合田はファックスを机に置いた。
「どういうことだ」
月影がそう聞くと合田は机に置いたファックスを渡した。
「このファックスを読めば分かる。」
月影はそれを読んだ。
「そういうことか。これなら一連の事件が繋がる」
「これで分かっただろう。赤い落書き殺人事件の最後の被害者という意味が」
「最初からなぜ分からなかったのだろう。キーワードは既に最初から啓示されていたということを」
二人だけが納得していて鮫崎だけが置いてきぼりになった。
その時鑑識が報告に来た。
「これが筆跡鑑定の結果です」
「全てが繋がった。容疑者を食堂に集めろ」




