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容疑者
月影と合田は食堂に戻った。鮫崎が宿泊客に向かい言った。
「先ほど宿泊客の一人が殺されました。犯人は貴方方七人の中にいます」
鮫崎のこの発言に合田は反論した。
「いいえ。八人です」
「どういうことだ」
「従業員は事件発生当時二人以上で行動していた。しかし一人で行動していた人物がいます。それは仲居の伊東久美です」
「そうか。では伊東さんを連れてきてください」
「その必要はありません」
合田と月影の後ろには伊東の姿があった。
「それで死因は」
「死因は射殺。薬きょうは見つかりません。傷の形状から前方から射殺されたと思われます。気になるのは指先に付着した血液が付着している紙。ダイイングメッセージと思われる。K」
「薬きょうは見つかった。斉藤の部屋のゴミ箱の中にあった」
月影は薬きょうを現地の鑑識に渡した。




