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E1号室
月影はE1号室を訪れた。ドアをノックすると中から上条が出てきた。
「あれ。月影さん」
「部屋に空きが出たと聞いて予約した。なぜ麻生と面会したのですか」
「同僚ですから当然でしょう」
「いいえ。それだけではないでしょう」
月影は通帳を出した。
「麻生さんの通帳です。あなたはこの口座に多額の現金を振り込んでいます」
「認めます。私は麻生に多額の借金をしていました。麻生の口車に乗って連帯保証人にされました」
「ではなぜ西野に電話をしたのでしょう。」「一週間前彼からメールが届きました」
上条は携帯を取り出した。メールにはこう書いてあった。
『一週間後会わないか。西野』
「なぜ呼び出されたか心当たりは」
「ないです」
「最後に犯行時刻にどこにいましたか」
「待ち合わせ場所のカラオケ店にいました。渋谷のカラオケシャルです」
月影が帰った一分後ドアの隙間に紙が置かれた。上条はその紙を読み、握りつぶした。




