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運命の転換


6時間目の授業中


「龍城、龍城」

「……なんだ……タカ?」

「今日、放課後どっか寄らないか?」

「そうだな……暇だしどっか行くか」

「さすが龍城っ! ヨシも誘おうぜ」


2人は揃って教卓前の席に目をやる


「アイツまた寝てやがるよ」

「ま、それがヨシらしいじゃねぇか」

「そうだなっ」


キーンコーン カーンコーン


「お、鳴ったな」

「いくかっ」


机に突っ伏している友人の前に行くと


「「おぉ~きぃ~ろぉ~」」

「ぅひゃあっ!?」


2人で両側から脇をくすぐってあげると

ヨシは飛び上がる


「だぁ~……龍城とタカかよ……」

「爆睡してんじゃねぇ~で、ちゃんと授業きけよな」

「そ~ゆ~龍城だって授業きいちゃいねぇだろ~?」

「俺は起きてるから良いんだよ」

「ハ~イハイハイ、それは良いから良いから!

ヨシっ放課後どっかいかねぇか?」


少し考え込むヨシ


「……」

「なんだ? 予定でも入ってんのか?」

「お、おう……ちょっとな……」

「なんだよ~龍城と違ってノリわりぃなぁ~」

「ま、そういうなタカ」


ヨシを見やる龍城


「用事あんなら無理するこたぁ無いだろ、

そっちの用事優先しな」

「わりぃな龍城っ 次は付き合うよ」

「おう! 気にすんな、また次な」

「じゃあ、また明日っ」

「「またなっ」」




ゲーセンをあとにした龍城とタカ


「2人だと微妙だなぁ~」

「ま……だな」

「今日はさっさと解散すっか?」

「そ~だな、今日はここまでにすっか」

「じゃあ、また明日な龍城っ」

「おぅ、またなタカ」


お互いに背を向け別れて家に向かって歩き出す




ふと目に入った、見慣れた近所の公園


「……?」


いつも見慣れた変哲もない公園に

何か微妙な違和感を感じ立ち止まる


ただいくら見渡してもいつもと変わらない

夕焼けに染まり、子供の遊んだ跡の残る寂しげな公園


何も変わっていないはず……だった。


「お、おい……こ、こりゃどういう……」


パッと見た風景は変わらない、

ただ見慣れているからこそ感じた違和感


それは"左右対称"だった。


ただ、公園の中だけ遊具の位置が反対になっている




何か不安に思いながらも公園の中に足を踏み入れると

とたんに空が'赤'から'青'へと虚ろっていく


顔をあげて空の変化に驚き、次に周りを見渡すと

立ち並んでいたビルは消え


何もないただの'草原'に自分が立っている。




「じょ、冗談か夢か……?」


ありきたりだな、と思いつつ自分の頬をつねってみる


「いたいな……」


若干の疑いは晴れないものの夢でないのかと

気持ちと感情を落ち着ける


「マンガかゲームの世界みたいだな……

ほんとにこんな事が起こるもんかよ……」


ふと思い立つ。


「異世界にワープと言ったら、勇者だよな……

ま、まさか俺が勇者……?」


都合のいい考えとは思いつつも

この状況下だ、あまり気にしすぎてもいけないと考え


「ちょ、跳躍力がアップしてたり

力が何十倍にもなってたりするのか?」


飛んだり跳ねたり

足元の小石を投げてみる


「な、無いよなぁ……」


普段と変わらない自分の体に少しの後悔を覚える




「何はともかく、これからどうしようか……」


周りを見渡すと草原の果てに煙が立ち上っている


「煙か……何にしても街か人はいるだろう……

行ってみるか」



草原の真っただ中を、驚きつつも主人公になった

制服を着た平凡な高校男子"網仲 龍城"は進んでいく。

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