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エピソード7:終点と玉座の間

タウロスの町に訪れたガーデラ達は、

冒険者が行方不明になっているという鉱山に足を踏み入れた。

そこは、異様なほど宝箱が置かれていた怪しい洞窟だった。

すると、奥の方からミミックに追われている少年が走ってきた。

そのミミックは宝箱の下に巨大な体を持つ異形の姿をしていた...

フードの少年が三人の目の前まで来た時、

その背後でミミックが、四肢を地面に叩きつけ跳んだ。


ドゴンッ!!!


巨大な衝撃と共に、ミミックは大きく跳躍し、少年に飛びかかる距離にまで到達した。

「避けろ!! 少年!!」

フランズが叫ぶと同時に、ガーデラは踏み込み、剣を振るった。

叩きつけられた腕は鈍い音を立て、弾かれた。


「あ...ありがとうございます」

ガーデラは少年の後ろに手を回すと、力強く押す。

「メル!この子をお願い」

「はい!」

メルザは少年を受け止めると、急いで距離をとる。


その瞬間、ミミックがガーデラ達のほうを向く。

目玉こそ確認できないが、明確に自分たちを捉えたことがわかった。


ミミックは甲高い叫び声を上げ、飛びかかってくる。

(来た……!)

ガーデラは振り下ろされた腕をかわし、腕めがけて剣を振り下ろした。

狙いは完璧。力も速度も申し分ない。

しかし――


ガキンッ!


乾いた金属音が洞窟中に響き、剣を握る腕に、鈍い衝撃が返ってきた。

「……えっ?」

刃は、弾かれていた。

ドラゴンの鱗すら易々と斬り裂いた“勇者の剣”が下級魔物のはずのミミックに傷一つつけられなかった。


理解が追いつかず、ガーデラは一歩、後退る。

「ウソ……斬れない……?」

その一瞬の動揺を、ミミックは逃さなかった。

狂ったように腕が振り下ろされる。


「テラ殿!!」

フランズの叫びで我に返り、ガーデラは咄嗟に剣を構えた。


ドンッ!!


真上から、両腕に圧し掛かる凄まじい重量。

「お...おっも!」

押し返そうと力を込めるが、びくともしない。

ミミックはそのまま力を入れ、ガーデラを押さえつける。


「テラ様!」

「貴様...その手を退けろ!」

フランズはミミックの腕に向け、火球を放つ。


すると、炎が肌に触れた瞬間、


ジュウウウウッ!


ミミックの腕は驚くほど簡単に、まるで砂のように崩れ落ちた。

ミミックは叫び声をあげ、後ずさる。


「なに?」

突然圧が消え、ガーデラは体勢を崩す。

そして、腕を破壊され叫ぶミミックをて、確信が出る。

「こいつ...魔法に弱い」


ミミックは再び飛び掛かるが、ガーデラは瞬時に手から雷魔法を放つ。


バリバリバリッ!


魔法はミミックの体をヒビ割るように駆け巡り、その全身に亀裂が走った。

ミミックは耐え切れず、宝箱の口を開けて耳をつんざく悲鳴をあげながら、やがて跡形もなく崩れ落ち、灰となって消え去った。


ガーデラとフランズは静かに息をついた。

「お二人とも、大丈夫ですか!」

少年を連れ、メルザが駆け寄る。


「ああ、何とか無傷だ」

フランズは地面に座り、剣を見るガーデラに視線を移す。

「テラ殿...一応聞くが、ミミックというのは...ああいうものなのか?」


「......なわけないでしょ」

短く答えながら、ガーデラは剣から目を離さない。

(あの様子...異常な物理耐久のわりに、魔法への耐性が極端に低い。どう見ても普通じゃない)

「だろうな。ドラゴンを容易に倒したそなたを一方的に押さえつける...そんな魔物が普通なわけないか」


「何だったんでしょう、あのミミックは」

「わからない......ただ、これではっきりしたわね」

ガーデラはゆっくりと剣を鞘に収めた。


「ああ、冒険者たちはアレにやられたのだな」

ドラゴンを倒せるガーデラが苦戦を強いられる魔物。

並の冒険者ならなすすべなく殺されてしまうだろう。


「いよいよ只事じゃなくなってきたわね。あんな強さの魔物を、このまま放っておくわけにはいかないわ」

メルザとフランズは、無言で頷く。

この洞窟で起きていることが、

単なる事故や偶然ではないことを、三人とも理解していた。


「あ...あの」

メルザの後ろから少年がそっと顔を出した。

「ああ、あなた。大丈夫?ケガはない?」

「はい...本当にありがとうございました」

少年は、か細い声で精一杯に礼を言った。


「少年、そなた名は何という?」

「僕は……ロザっていいます」

「ロザ、あなたもこの鉱山の噂を聞いてここに来たの?」

「はい、高く売れる鉱石が眠ってるって...でも、進んでいったら……あいつが……あの化け物が突然現れて……死ぬかと思いました」


「よく逃げられたものだな...」

フランズが素直な感嘆を漏らし、洞窟の奥を見据える。

「ここは危険よ。あなたはもう帰りなさい。メル、この子を洞窟の外まで送ってあげて」


「はい」

メルザが魔法陣を展開しようとすると、ロザは慌てて首を振った。


「ま、待ってください!僕、戻りたくありません!まだ何も手に入れてないんです!」

「おいおい、あれだけの目にあっておいて、まだ鉱石をとる気でいるのか?」

「どうしても...どうしても今、お金が必要なんです!お願いします!」

必死の声だった。

掴む手は震え、しかし目だけは強い決意を宿している。


「どうしてそこまで金に固執するのよ? 理由があるなら話しなさい」

ロザは唇を噛んだ。

「……話せません。だけど……本当に大事なことなんです。

だから……どうか僕も一緒に行かせてください」


メルザは困ったように視線を伏せる。

「困りましたね……」

フランズも腕を組み、難しい表情を浮かべた。


命の危険があるのは明白。

だがロザはの目は涙ぐんでいながらも、どうしても譲れない事情が映っていた。


ガーデラは、静かに息を吐いた。

「……仕方ないわね」

肩をすくめながらも、その声は軽くない。


「いいわ。ただし条件がある。絶対に私たちから離れないこと。危険だと判断したらすぐ下がること。いいわね?」

「はい!!」

こうして四人と一人は、異形ミミックの巣くう洞窟のさらに奥へと進んでいった。


奥へ進んでいくと、先ほどと同じ異形のミミックが姿を現した。

しかも闇の奥から、複数体いっぺんに。

「予想はしていたけど....やっぱり一匹じゃないわね」

「ああ、だが!弱点がわかっていれば、もはや我々の敵ではない!テラ殿!」

「ええ!」


二人は距離を詰められる前に、魔法を放つ。

炎と雷が洞窟内を駆け抜ける。

魔法に触れたミミックたちは、叫び声をあげながら崩れ落ち、灰となって床に散った。


ガーデラ達はそのまま歩みを止めず、さらに奥へ進んでいく。


――その時。

「……おかしいですね」

メルザがふと足を止め、周囲を見渡した。

「どうしたの、メル?」


「あのミミックたちが冒険者が行方不明になる原因ということはわかりました。でも...そうなると、おかしい点があります」

「何がだ?」


「ここまで来る途中、ミミックにやられた冒険者の...死体がないんです」

「確かに...」

ガーデラが眉をひそめる。

「一人くらい倒れていても不思議じゃないのに、骨すら見当たらなかった」


「だが血痕はある。冒険者たちは確かにここいた。ということは...恐らく奴らは...」

メルザは静かに結論を口にした。

「はい。殺した冒険者たちを、どこかに運んでいると思われます」

一瞬、重い沈黙が落ちる。


「……まあ、とりあえず奥に行くしかないわね」

ガーデラは前を見据えた。

「真相を確かめるには、それしかない」

メルザとフランズは静かに頷き、ロザは今まで以上に身を強張らせる。

四人は再び、闇の奥へと歩き出した。


しばらく進んだその時だった。

洞窟の奥の暗闇の中に、かすかな光が揺らめいているのが見えた。

「え、光?まさか出口?」

「バカな、距離にすれば鉱山の中だ」

「行ってみましょう」


四人は慎重に、しかし好奇心と緊張を胸にその光へと駆け寄った。

やがて通路を抜けた瞬間、視界が一気に開ける。


壁や天井に埋まっている鉱石が青白く発光し、それらが反射し合って、洞窟とは思えないほどの明るさを生み出していた。

異様で、幻想的な大広間。


そして、その中央――

岩に囲まれた円形の窪地いっぱいに、高々と積み上がった光り輝く鉱石の山。

幾重にも折り重なり、まるで富そのものを誇示するかのように高く積み上げられていた。


その頂上には、今まで見てきたどんな宝箱よりもはるかに巨大な宝箱が鎮座していた。

まるで王の玉座のように、頂からすべてを見下ろすかのように。


「すっごい...これが噂の鉱石?」

「違う世界に来たようだ...」

言葉を失い、ただ呆然と見つめる一同。

洞窟の中とは思えないほど神秘的で、美しく、そしてどこか禍々しい。

ただその光景に目を奪われていた。


だがその時、

「ヒッ……!」

ロザが両手で口を押さえ、必死に悲鳴をこらえる。


ガーデラ達はロザの視線の先に目をやる。

「……!」


間違いなく、行方不明になった冒険者たちの成れの果てだった。

そこには、積み上げられた鉱石の陰に、無数の人骨が寄り集められていた。

衣服の切れ端。

砕けた武具。

朽ちた背嚢。

間違いなく、行方不明になった冒険者たちの成れの果てだった。


「なるほど...行方不明になった冒険者は全員ここに運ばれてたのね」

「まるで...王への献上品だな」

再び鉱石の山に鎮座する宝箱に目をやる。

光に満ちた広間は、疑いようもなく終点だった。


「フランズ、私たち二人で魔法を撃つわよ。今のうちに一撃で倒す!」

「了解した!」

二人は魔力を集中させ、巨大な宝箱へ向けて一斉に魔法を放つ。

炎と雷が混ざり合い、轟音と共に光の奔流が鉱石の山へと一直線に突き進んだ。

直撃……の、はずだった。


ズシャァンッ!!


鉱石の山から、巨大な腕が飛び出し、魔法を受け止めた。

「――ッ!?!?」

全員の顔から血の気が引く。


次の瞬間、鉱石の山が震え、崩れ始める。

そして、ガラガラと崩れゆく鉱石の中から、ゆっくりと“それ”が姿を現した。


宝箱の下にあったのは、

これまで遭遇した異形ミミックとは、比較にもならない存在だった。


所々から鉱石が突き出た分厚い外殻。

異様に発達した筋肉の通った灰色の体。

そして、右左に生えた四本の腕。

この世のものとは思えない怪物。


――ミミック・ロード。


圧倒的な威圧感に、四人は言葉を失った。

ミミック・ロードは二人の魔法で砕かれた腕を見下ろすと、魔力を集中させる。


ゴリゴリッ!バキバキッ!


筋肉が盛り上がり、骨が組み直され、皮膚が絡みつくように再構築されていく。

砕かれたはずの腕が、まるで何事もなかったことのように、完全な形へと戻っていった。

「うそ...」

「再生した....だと!?」

ミミック・ロードはゆっくりとガーデラたちへ顔を向け、洞窟全体を揺らすような咆哮を放った。


グギァアアアアアアアアアアアアア!!!!!


重圧のような音が四人の体を押しつぶす。

ロザはその場に尻もちをつき、震えあがった。

ガーデラは即座に剣を構え、フランズは両手に魔力を集中させる。


「くる!」

ガーデラの叫びと同時に、ミミック・ロードは、四本の腕をうねらせながらガーデラたちへ走り出した。

フランズは反射的に火球を放つ。


だが――

ミミック・ロードは地面に拳をたたきつけ、砕けた岩盤が即席の盾となって炎を受け止める。

「なんだと!?」

炎が霧散するのと同時に、ミミック・ロードそのままガーデラ達のほうに突っ込み、拳を振り下ろした。

四人は散るように回避する。


ガーデラは着地と同時に剣へ魔力を込め、間合いに踏み込み斬りかかる。

確かな手応え。

外殻を裂き、肉を斬った。

だが、


ズズッ……。


裂けた傷口は、瞬く間に塞がっていく。

(ダメ。攻撃してもすぐに回復される...キリがない)

ガーデラの胸に、冷たい焦りが広がる。


その時だった。

ミミック・ロードはガーデラから距離をとるように跳躍する。

そして、寄り集められた人骨の近くに着地する。

「...?どうして急に距離を...」


違和感を覚えた、その瞬間。

ガーデラの視界に、何かが高速で迫る。

反射的に剣で受けると、乾いた音と共に粉々に砕け白い破片が宙を舞う。

「!?」

その色、その質感を見た瞬間、ガーデラは理解してしまった。


「......骨」

視線を前へ戻す。

ミミック・ロードが手には、積み上げられていた人骨が無造作に握られていた。


「人の骨を...武器に!」

メルザとロザは、かつて生きていた誰かの成れの果てを何の躊躇もなく投げつけるその姿に絶句した。

ガーデラとフランズは嫌悪の表情を浮かべる。

その反応を楽しむかのように、ミミック・ロードの口は笑っているように歪んでいた。


ミミック・ロードは、人骨を握る四本の腕を大きく振り回した。

バキバキと嫌な音を立て、手の中の骨が砕けていく。

「まずい!」

次の瞬間、砕けた人骨が散弾のように広範囲へとばら撒かれた。

ガーデラは剣・フランズは炎・メルザはロザを抱き込み、防御魔法で各々攻撃を防ぐ。


高速で飛んでくる白い塊は、間髪入れず四人に襲い掛かる。

その時、

ひび割れるような音と共に、メルザの防御魔法が砕け散る。

「うぐ!!」

骨が胸部に直撃し、メルザの身体が地面に崩れ落ちる。


(――っ!)

ガーデラの心臓が跳ね上がった。

思考より先に、身体が反応する。

ミミック・ロードはその隙を見逃さなかった。

骨を投げるのをやめ、瞬時にメルザとロザのほうに飛び掛かる。


「やめろ!!」

ガーデラは叫びながら、ガーデラは踏み込んだ。

だが、ミミック・ロードは空中で体勢を変えた。

「え?」

理解する前に、巨大な拳が視界を覆った。


ドガァァァンッ!!!


衝撃音が洞窟に響く。

「う...う~ん...」

メルザは何とか手をつき、ふらつきながら起き上がる。


「テラ...様?」

周りを見回し、ガーデラを探す。

そして、見つけてしまう。


「!?」

視線の先には壁に全身を叩きつけられたガーデラの姿があった。

「テラ様...テラ様..テラ様ああああ!!」


フランズはその光景を前に呆然する。

(こいつ...最初からテラ殿を狙っていた)


ミミック・ロードはメル殿たちを襲うように見せかけていた。

必ず彼女が助けに来ると、分かっていた。

戦力を効率よく削ぎかた、隙の作らせ方をこの短時間で考えたのだ。

(こいつ...知性が並の魔物じゃない)


全身を貫く激痛に、ガーデラは地面をかきむしりながら悶えた。

意識こそあるが、打撃の衝撃は骨の奥まで届き、呼吸すらまともにできない。


ミミック・ロードはゆっくりと、しかし確実にガーデラへ迫る。

四本の腕の関節を鳴らしながら、獲物にとどめを刺す獣のように。


「まずい!テラ殿!!」

フランズが叫びながら必死に駆け寄ろうとするが、ガーデラは痛みのあまり身動きさえ取れない。

視界は揺れ、音も遠のく。


ミミック・ロードは一瞬だけフランズへ視線を向けると、手にしていた人骨を投げつけた。

「ぐあ!」

骨はフランズの肩に刺さり、フランズは体勢を崩した。

ミミック・ロードは歩みを止めない。

黒い影がガーデラを覆っていく。


――その瞬間。


バシュッ!!

背後からの光弾がミミック・ロードの背中に直撃した。

ミミック・ロードはぎょろりと振り返る。


そこには震える足で立ち、両手を前に突き出したメルザがいた。

「テラ様に……近づくな……!」

表情は怒りでゆがんでいるが、肩も膝も激しく震えている。

押しつぶされそうな恐怖の中、それでも彼女は逃げずに立ち塞がった。


ミミック・ロードは一瞬だけ視線を向けたが、すぐに興味をなくし、再びガーデラへ向き直った。

「待ちなさい! ……こっちを向きなさい……!」

メルザは必死に魔法を撃ち続ける。

「止まれ! 止まれって言ってるだろうが!!」

ミミック・ロードはもう振り返りもしなかった。


ついに巨体がガーデラの目前に迫る。

腕が持ち上がる。

影が、完全にガーデラを飲み込む。


「やめろ...やめろ..やめろ!やめろおおおおお!!」

メルザの目には涙があふれ、声は叫びというより悲鳴そのものだった。

それでも彼女は魔法を撃ち続けた。


ミミック・ロードの腕が振り下ろされる。

「ガーデラ様あああああああ!!」

メルザの叫びが洞窟に響いた。


その瞬間、


ピシッ


天井に走っていたヒビが短い音を立て、割れた。

わずかな隙間から、外の太陽光が一条の光となって降り注ぐ。

その光は、倒れたガーデラの体をまるごと覆った。


そして、ミミック・ロードの振り下ろされた巨腕が、光に触れた瞬間。


ジュゥゥゥ……!


まるで焼かれた肉のように蒸気を上げ、腕の表面がひび割れ始める。


ビキッ、バキバキバキッ!!


肉が土のように崩れ、腕は根元から崩壊した。

ミミック・ロードは耳をつんざくような絶叫を上げ、岩場を揺らした。

光を避けるように後退しながら、四本の腕を震わせるその姿は、まるで初めて触れた“死の痛み”に怯えているかのようだった。


(こいつ...光!?太陽の光が弱点!)

メルザは瞬時に理解すると、フランズのほうを向く。

「フランズさん!」

「ロザさんを連れて洞窟入口に戻ってください!」


「入口にだと?」

「はい。私に考えがあります! とにかく急いでください!」

「バカを言え!そなた一人であの化け物と対峙するつもりか?すぐに殺されてしまうz...」


「いいから早く行けっつってんだろ!!!」

「は、はい!」

あまりの圧にフランズは反射的に返事をした。

フランズはロザを抱えると、来た道を戻り、出口の方へ走っていった。


「……すみません。頼みました」

洞窟には、ミミック・ロードのうなり声と、瓦礫の落ちる音だけが残った。

「メルザ...あなただけでも..逃げて」

掠れたガーデラの声に、メルザは小さく笑った。

「お断りします。私はあなた様の直属の秘書です。主を見捨てて逃げるくらいなら、胸張ってここで死にますよ」


深呼吸をし、一歩前へ踏み出した。

ミミック・ロードがこちらへ振り向く。

砕けた腕を引きずりながら、再生しようと骨をきしませる。


「……それじゃあ」

メルザは足元に魔法陣を展開させた。

「始めるか」

その瞳に宿るのは、恐怖ではなかった。


「後悔させてやるよ……ゲス野郎」

お読みいただきありがとうございました。

どうも、作者の一二三四 五六です。

最近になってこのペンネームに似た人が多いことがわかりました。

もっと捻った感じの個性的な名前にすればよかった...

何とか作品の中で個性を出して、人気になっていきたいと考えています。

そんなわけでこれからも側近勇者をよろしくお願いいたします。

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