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文学フリマにいってきた!

作者: 山本輔広

 5月19日の日曜日、文学フリマ東京38に参加をした。

文学フリマ自体はじめての参加であったが、出店側として今回参加してきた。

今までこういったイベントで参加したものといえば爬虫類系のイベントくらいだ。

コミケなど有名どころも参加したこともなかったので、今回がサブカルチャーイベント初の参加となる。


 今回販売したのは百合のライトノベルだ。

小説は私が書き、イラストは友人のてり君に頼んだ。

そもそも何故参加したかといえば友人と呑んでいるときに『てりちはイラスト描くし、俺は小説書くから二人で本を出したいね』なんて言ったのがはじまりだった気がする。

酔っていたので仔細は覚えていないが、確かそんな流れだ。


 本を出してみたいとは思っていたけれど、このような形で本を作るとは思ってもみなかった。

一緒に参加してくれたてり君には感謝してもしきれない。


 編集や入稿などのなんやかんやを経て、文学フリマの当日を迎えた。

場所は東京流通センター。この場所自体もはじめてきた場所である。

貿易会社の大きな建物たちに囲まれた場所に文学フリマの会場はあった。

 行く途中宣伝用のポスターの受け取りなどの関係で、着いたのは時間ぎりぎりだ。

会場の前にはすでに多くの人が行列をなしている。かつて参加した爬虫類イベントよりもはるかに多いであろう人数がいまかいまかと開場を待っている。

並ぶ方々の行列を横目に、さっそく会場へと一足お先にお邪魔した。

もうすでにほとんどのブースが書籍を陳列し、宣伝用のポスターやテーブルクロスで彩っている。

さっそく自分も……とはならず、私は友人にその場を任せるとさっさと喫煙所へと向かっていた。

すまない、私はヤニカスなんだ。

戻るころには友人の手によって書籍はすでに陳列されており、持ってきたブックスタンドと売り子のシルバニアを飾ってブースは完成した。

会場には運営によるアナウンスがされ、いよいよ文学フリマがスタートする。

 開場と同時に多くの人が雪崩のように押し寄せる。

おそらくは目的のブースがあるのだろう。一目散に通り過ぎていく人たちがなんだかおもしろい。

 開場からしばらく経っても人の勢いは終わらない。

通り過ぎていく人々を眺めながら『誰か手に取ってくれないかなー、買ってくれないかなー』とは思えど、そう思い通りにはいかず。

やることもないので、また喫煙所にいって戻るとなんと一冊売れていた。

「もこちゃん一冊売れた!!!」なんててり君が興奮気味に教えてくれて、(どんな人が買ったのか是非見たかった、感謝の言葉を伝えたかった)と後悔。

そこからはなるべく喫煙所にはいかず、ブースに座っていた。

どれくらい時間がたっただろうか、まじで人の流れをみているしかないので(まぁ、そんなもんだよな。初参加だし)とスマホをいじいじ。

すると、一人のお兄さんが本を手に取ってみてくれた。

売り子などはじめてだったので「よかったら見てくださいー」なんて小声でしか言えなかった。

結局そのお兄さんは買わずに去って行ってしまった。

恐らくは好みじゃかったのだろう。でも、手に取ってくれてありがとう。それだけで山本は嬉しいよ。


 さらに時間が経過し、てり君は喫煙所へ。俺は一人ぼんやり。

「見てもいいですか?」

 いきなりの声かけ。若いイケメンのお兄さんがブースに足を運んでくれた。

「ど、どうぞ」

 なんて震えて言った気がする。

本を手に取りページをめくるお兄さん、どきどきしながら反応をうかがう作者の俺。

「一冊ください」

「ありがとうございます!!!!!」

 はじめて本が売れた。

自分が作った本がはじめて人に売れた。

なんと嬉しいことだろう。

自分が作った作品が本になって、さらに誰かの手に渡るなんて。

しかも自分の作品がお金にもなってしまった。

この感動は今後忘れることはないだろう。


 文学フリマは17時までの開催だったが、終わるギリギリまでブースに立っていた。

20部ほど刷ったのだが、最終的に9冊ほどが売れた。

これが多いのか少ないのかはわからなかったが、てり君は「最初にしてはかなりいいほうだよ!」と言ってくれたので、いいほうなのだろう。


 文学フリマのいいところは、他の作者さんたちとダイレクトに交流できる点もある。

気になった作品を手に取り、作者さんと直接お話できるのは中々ない機会である。

個人的に嬉しかったのは、当日自分はタンクトップにシャツを羽織ると和彫りが見える服装でいたのだが、

「俺も墨入ってますよ!」

と話しかけてくれる方もいた。

刺青界隈は人も少なく、このような場所で出会うことは中々ないだろうから余計に嬉しかった。


 他にもお向かいさんのブースさんとも話すことができた。

終了が近くなり、片付けをはじめていたのでこちらから話しかけてみたのだ。

出していた本を購入させていただき、少しばかりお話をさせていただいた。

その後お向かいさんもこちらのブースに来ると本を一冊購入していただけた。

こういった作者さん同士の繋がりができるのも本当に嬉しい。

オンラインでの交流はあっても、フェイストゥフェイスでの交流なんてはじめてのことだと思う。


 会場をあとにしても熱は冷めなかった。

帰宅すると買った本を見てニヤニヤし、減った自作を見てニヤニヤし、ツイッターを眺めてニヤニヤしていた。

ちなみに未だ熱が冷めていない。

なんなら「もっと作品を出したい!」「はやく次のイベントに参加したい!」という情熱ばかりが沸き上がってくる。

てり君も同じ気持ちであり、もうすでに次のイベントへは応募が完了している。

次は12月の文学フリマへ参加予定。


 散文にはなってしまったが上記が文学フリマに参加しての感想。

情熱ばかりが溢れ、やりたいことや課題が大いに見つかった。

あの空間に早く戻りたい、早くまたあの空気を味わいたい。

次の開催は12月、東京ビックサイト。

まだ当落はわからないけれど、どうか当選してくれと祈るばかり。


 文学フリマ、まじでおすすめ。

参加したことのない人は是非。

作品をつくっている人なら尚更おすすめだ。


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