第3話 初戦闘
2日後……
「さて、通販から魔法少女が出現した直後の場所の空気も届いたし、とりあえず全部ゼリーにするか。」
……よし、できた。
「さて、問題はここからだ。」
研究と言っても魔法少女への変身方法を出すわけには行かない。
魔法なんてとんでもない武器になる、戦時利用されたらどれほどの被害がでるかわからない。
だから、必然的に何かしらのものを作らないといけない。
どんなものを作ればいいだろうか?
有用とは言っても色々ある。
日常で使えるものや、対魔物用の武器も有用だろう。
まぁ、国が求めているのは武器だろうし武器だな。
残滓を鉄と混ぜれば通用するか?
というか混ぜられるか?
「ひとまずは残滓ゼリーについて調べてみるか。」
ゼラチンと混ぜたことで変化があるかも知れない。
あとついでに魔法少女機関の研究についてもネットで調べるか。
1時間後……
残滓ゼリーを調べた結果、殆どなにもわからないということがわかった。
わかったことはたった2つ。
1つ目は残滓ゼリーをわずか1mgでも摂取すれば即死ほどの毒性があることだ。
「……いや、どゆこと?」
俺絶対1mg以上食べたよ?
なんで死んでないの?
いや、理由はわかるよ?
多分残滓の摩訶不思議なパワーでしょ?
そうじゃなかったら魔法少女もとっくに死んでいるはずだし。
けど納得行かねぇよ。
なんだよ摩訶不思議なパワーって。
「まぁ、それは後回しだ。」
2つ目にわかったこと。
残滓は残滓を引き寄せるということだ。
この特性はなにかに使えるかもしれない。
まぁ、何に使えるの?と聞かれても答えられないけどね。
「多分そのうち思いつくでしょ。」
あと、魔法少女機関でもわかったことがあった、どうやら残滓はマナと呼ばれているらしい。
だからこのマナでできたゼリーはマナゼリーと呼ぶことにした。
他に魔法少女機関でわかったのは魔法少女が一回で魔法を使わない状態で変身し続けられるのは25分ほどらしいことや各魔法におけるマナの消費量など魔法少女に関連するものだけだった。
「さて、じゃあ鉄とマナゼリーを混ぜてみよう。」
うまくできれば剣とかができるかもしれない。
じゃあまずは鉄を溶かして〜っと。
鉄が溶けたらマナゼリーを混ぜてしばらく放置……
……あれ?混ざんなくね?
というか弾かれてるわ。
ガラスに水を乗せたみたいに弾かれてる。
これじゃあ鉄で武器は作れねえな。
じゃあ銃弾の素材になる鉛は……
……無理だ。
鉛でも弾かれる。
これ多分だけど金属全般無理だな。
武器とマナを混ぜるのは不可能っぽい。
あっ、そうだ。
2つ目の性質を利用して武器にマナを集めればいいんじゃないか?
武器の中にマナゼリーを仕込めば行ける気がする。
だとしたら作るのは銃弾だな。
正確には先っちょの弾頭部分。
あれの中を空洞にしてマナを詰め込もう。
早速弾頭を用意して〜っと、
昔銃に憧れてついネットで買ってたんだよなぁ。
銃弾だと犯罪だけど実質的に問題なのは火薬と雷管部分だから弾頭だけとか空薬莢だけなら大丈夫だし。
10分後……
弾頭完成!
入れられたゼリーは5gだけだけど、まぁ弾頭のサイズ的にしょうがないか。
溶接とかめんどくさかったからテープで穴塞いでるけど大丈夫だよな?
とりあえず効果があるか調べたいな。
都合よく魔物と遭遇しないかな?
バイクでそのへんを走り回るか……
弾頭と撃ち出す用のパチンコを持ってと。
10時間後……
「居ねぇ!!」
10時間も探したのに全く居ねぇ!
いや、まぁ一日に数体だけしか魔物は現れないししょうがない気もするが10時間も無駄にしたと考えると納得がいかな『GYYAAAAA!!!』
……わぉ、実にご都合的展開。
都合よく近くに現れましたよ。
見た目は……5mぐらいの人型だな。
ただなんかぐちゃぐちゃになってて気色悪いが。
じゃあ早速知的好奇心と殺意を込めてパチンコで弾頭を当てるとしよう。
狙いを定めて〜………そい!
あっ外れた。
念の為もう一発用意しといてよかった〜
そんじゃあ、もう一回……そい!
『GYA!?』
おっ、効果あるっぽいなこれ?
あとはもう少し弾が早けりゃ多少は戦えんじゃね?
……ん?あれ?
なんでこっちを見てるんですかね魔物さん?
……すぅ……
逃げよう!!!
『GRYAAAA!!!』
「こっち来んじゃねぇ!」
やばいぞこれ、普通に死ぬかもしれねぇ!
くそっ、魔法少女は……
……よく周りを見たらここらへん人もいなければ監視カメラとかもねぇ!
これじゃあ魔法少女は知らされてないんじゃねえか!?
くそっ、どうする?
魔法さえ使えれば倒せるのに!
……魔法?
そうだ魔法だ!
弾頭に入っているゼリーを飲めばあのとき変身したみたいに魔法が使えるかもしれない。
前に食べたときのゼリーはスプーン一杯、およそ5gほどで変身時間は1分ほど、魔法少女が変身できるのは25分ほどで魔法少女の魔力量が100としたときの消費量が魔法の消費量なので5gで消費できるのは2だ。
弾頭に入れたのは5gだから使えるのは……
エアバレットか!
エアバレットだけ、しかも一回で倒せるかは謎だがやるしかない!
少しダメージを与えるだけだとしても逃げる程度の好きはできるはずだ
まずは弾頭を回収しないと。
外したやつがそこら辺に落ちてるはずだ。
向かってくる魔物をかいくぐってたどり着く必要があるな。
「冷静に、そして大胆に……」
弾頭の場所にダッシュだ!
「うおっ!?」
なんかよくわからない物体を走りながら打ってきてるんですけど!?
これをかいくぐるのはかなり厳しいぞ。
「けどやらないわけにもいかない。」
飛んでくる謎の物体を根気で避けつつ前へと進み、やがて魔物の手が届く範囲へと入った。
『GYAA!!』
「まぁ、そうするよな。」
当然魔物は殴りかかってくるが、想定していたためギリギリで避けられた。
「うわっ、コンクリートが砕けやがった。」
あたったら間違いなく死ぬなこれ。
そんなことを考えつつ、魔物の横を通り抜けた。
「あとちょっと!」
弾頭は……クソっ小さくてみつかりずれぇ……あった!
すぐにテープを外して、中身を飲み込んだ。
よし、あとはエアバレットを頭に打ち込むだけだ!
「エアバレット!」
俺は右手を魔物の頭へと向けそう叫んだ。
すると右手から緑色の弾が発射され、魔物の頭部を貫通した。
『GYYAAA………』
「よし!」
頭部を撃ち抜かれた魔物は、急所であったのか倒れ込み、やがて消滅した。
「……なんで風が着色されてるんだ?」
戦いの後に最初に出た言葉は、なんともどうでもいいことであった。
今回の使用魔法紹介
評価
Aかなりつよい
Bつよい
C人間には十分
Dよわい
Eわりとよわい
項目
攻撃力
速さ
使いやすさ
射程距離
汎用性
魔力消費
一般的な魔法少女の魔力量を100としたときの数値
魔法名
エアバレット?
攻撃力C
速さA
使いやすさA
射程距離B
汎用性C
魔力消費2
概要
少し威力が通常のエアバレットよりも高い。
勿論主人公補正ではなく、理由がある。
いくら不定期とはいえ遅すぎる気がしないでもない。