第13話 固有魔法
マナゼリーの副作用が判明して数十分後......
俺の手には大量の万札が握られていた。
「まさか聞いてみた瞬間魔物討伐手当がもらえるとは......」
「まぁ、普通に俺が渡し忘れてただけだからな......、あ、手当がつくからって自分から魔物討伐にはいくなよ?ただでさえお前はなぜか遭遇率が高いんだから」
「わかってますよもう......、でも確かに俺の遭遇率って異常に高いですね……」
前聞いた話によると北海道の場合の魔物は1日1体程度だったはずだ。
それが俺の場合ゼアの時も含めてほぼ毎日遭遇している。
これだと毎回俺が倒したことになるぞ?
「最近は若干1日の魔物の出現量も増えて入るんだがそれにしても多いだろお前......」
「たしか1日に3体ぐらいでしたっけ?確かに増えたわよね」
「え、ほぼ3倍じゃん、何があったんだ?」
なんかおっさんたちが驚きの事実を言い出した。
そんな前触れもなくいきなり増えるとかおかしくね?
「そもそも魔物の発生理由がわからないんだから、いきなり増えても何ら不思議ではないんだが……」
「いくら何でも3倍はおかしいわよねぇ......」
「う~ん……、、何かが理由で魔物が焦ってるとか?」
「魔物に知性があるように見えるか?」
まぁ、ないだろうな......
気にはなるが今のところ調べる手立てはないしいったんこのことはおっさんたちに任せるか。
「そんなことよりこの金何にに使おうかな?」
「宇佐戯君なら何かしらの実験道具じゃないかしら?」
「いや、実験道具は魔法少女機関の研究員ならよほどのものじゃない限り申請すれば無料でもらえるからないだろ」
「え、何その制度......」
「あ~……、悪い、そういえば言ってなかったわ」
ど忘れしていたおっさんによると、どうやら魔法少女機関の職員にはそれこそ数億円するようなものじゃない限りすぐにもらえる制度があるらしい。
何なら数億円するものでも必要性があるなら多少時間があるならもらえるそうだ。
なんでこんな重要な説明忘れてるんだこいつ、危うく結構な損するところだったぞ......
「そういうことならマナ測定器が俺にもほしいんですけど」
「それなら余りが倉庫にあるから今すぐそれを渡せるぞ、ちょっと今からとってくる」
「は~い」
おっさんが俺の言ったマナ測定器を取りに研究室から出て行った。
その後ろ姿を見て委員長がぽつりとつぶやく。
「なんというか井出さんって忘れっぽいところあるわよね」
「おっさんだからじゃない?」
「あなたたまにしれっとひどいこと言うわよね......」
「そう?」
俺としては大元の発言は委員長だしどっちもどっちじゃないかと思うが……
「それにしても前から気になってたのだけど宇佐戯君ってどうやって魔物を銃だけで斃しているのかしら?」
「ん?普通に銃を連射してるだけだけど?」
「この前そんなに強いのか気になって、井出さんから借りて使ってみたけれど。あんまり当たらないし、当たったところでエアバレットよりちょっと強いかなぐらいの威力しか出なかったわよ?」
「それは委員長のエイムが悪いだけじゃない?」
どうやら委員長は俺の魔物討伐に文句があるらしい。
「確かに私は結構アクアバレットとか外すけど、それにしても微妙な気がするのよね?」
「……俺としてはアクアバレットのほうが気になるんだけど?」
委員長の口からきいたことない魔法が出てきた。
なんだアクアバレットって、基本魔法にはなかったよな?
「あぁ、私の固有魔法で使える攻撃手段の一つよ」
「へ~、委員長の固有魔法ってどんなのなんだ?」
「簡単に言うと水と氷を自由に生成出来て操れる感じね。基本魔法より少し消費が軽いから私は基本的に固有魔法だけで戦ってるわ。」
「なるほど、じゃあ基本魔法はほとんど使わないんだ」
「まぁ、あさみほどじゃないけどね、あの子は完全に固有魔法だけだから」
「ふ~ん」
固有魔法か、気にはなるから調べてみたいんだが、今のところ俺は基本魔法しか使い方わかんないし、そもそも持っているのかすら怪しいんだよなぁ......
そうだ、なんなら委員長にどうやったら固有魔法が使えるようになるのか聞いてみるか。
「固有魔法がどんな魔法なのかってどうやって調べてるんだ?」
「あ~、それは妖精が教えてくれるのよね、あなたの固有魔法は何々ですって感じで」
「あぁ、そういう感じでわかるんだね」
となると妖精なしの俺にはわからずじまいか......
まぁわからないならわからないなりにうまくやるけど。
そんなことを話していると研究室の扉が開いた。
「持ってきたぞ、ほら」
「ありがとうございます」
俺はおっさんからマナ測定器を受け取った。
これからはできるだけ持ち歩くとしよう。
「渡しはしたが悪用だけはするなよ?」
「これで悪用って、どんな?」
「魔法少女を特定するとかだよ」
「あぁ、なるほど」
まぁ、確かにその使い方はだめだろうな。
何がどうダメなのか具体的な言葉にはできないが、倫理的にダメな気がする。
「ところで今魔法少女って北海道に何人いるんです?」
「あ~、あさみたち入れて4人だな。残りの二人はどっちも事情があるらしいから詮索はするなよ」
「は~い」
4人か......
多いような少ないような微妙なところだな。
そんなことを考えているとおっさんは腕時計を見ながら口を開いた。
「ん?もう19時か、お前らはそろそろ帰りな」
「じゃあお先に失礼しま~す」
「ではまた」
「おう、また明日な」
俺たちはおっさんに帰るように言われ、その通りに魔法少女機関を後にした。
委員長と二人で夜道を歩いていく。
「……俺の経験上こういう時の魔物との遭遇率高いんだよなぁ」
「ちょっと、そうやってフラグ立てるのは『GYAAAA!!!』......ほら言ったじゃない」
「え~、俺が悪いの?」
俺が魔物出る気がするといった瞬間に本当に出てきてしまった。
魔物は人型で剣のようなものを持っている。
やっぱ俺魔物との遭遇率高くね?
「とりあえず今回こそは私が倒すからちょっと離れてなさい」
「本職がいるのにさすがに前には出ねぇよ」
俺が若干距離をとると、委員長が口を開く
「……変身」
『Are you ready? Change→Viora!!!』
その言葉とともに、委員長の体が光に包まれ、気づけばそこには委員長から髪を伸ばして少し明るくしたような見た目の魔法少女が現れた。
......変身するときの声にノイズがない?
やっぱり俺の変身は何かがおかしいのか?
「さあ、ここからがフィナーレよ!」
『GYAAAA!!!』
前口上とともに委員長は魔物に対し、飛び蹴りをする。
が、魔物は体を少しそらして避けてしまった。
「あっ、避けられた!」
「何してんの委員長!?」
『GYAA!!!』
飛び蹴りを避けられたため倒れこんでいる委員長に魔物は剣を突き立てようとする。
しかしそれよりも早く魔物の背中に氷のとげが刺さった。
『GYA!?』
「アイスニードルよ、あらかじめ飛び蹴りと同時に放っておいたの」
「……魔法の名前言わなくても発動できるのか」
どうやらあらかじめアイスニードルを発動し、自身の飛び蹴りを囮に命中させたらしい。
まぁ、俺としては無言で魔法を発動させたことのほうが気になるのだが……
「ふっ!」
『GI!?』
魔物は背中からアイスニードルを食らったためバランスを崩している。
そこに倒れこんだ姿勢のまま委員長が足払いをし、完全に魔物は倒れこむ。
「これで終わりよ!」
『GYAAAA......!!』
倒れている魔物の頭に、委員長は魔法で作り出した氷でできた、くそでかハンマーを叩きつけ、魔物はそれが致命傷だったのかドロドロになり消えていった。
「ふぅ、私もこれぐらい余裕でできるのよ?」
「わー、すごーい」
「あまりにも心が込めってないわね……」
そういいつつ委員長は再び光に包まれ元の姿に戻った。
それにしても......
「委員長って戦闘する前に前口上するタイプなんだね」
「え、あ、いや、あれはいつもあさみがやるから私もやってるだけでそれが今回も出ちゃっただけよ!」
「いや、いいと思うけどね前口上」
「うぐぐ、なんか馬鹿にされてる気がする......」
委員長は歯ぎしりをしてなんか悔しそうな顔をしている。
俺も前口上はするし別に馬鹿にはしてないんだが、委員長にはいっても伝わらなさそうだ。
「はぁ、まあそれはいったんいいわ、今回は一人でやったから久しぶりに良い運動になったわね」
「割とあっさり倒したように見えたけど、いい運動だったか?」
「まぁ、確かに今回のはだいぶ弱い部類の個体だったわね」
「ふ~ん、あれでだいぶ弱めなのか」
俺が倒してきたのは大体あんな感じだった気がするし、全部弱めの個体だったのかもしれない。
「強い個体は普通に魔法使ってくるし、それが精神に攻撃するタイプならさらに厄介よ、あなたも気を付けておきなさい」
「は~い」
魔法を使うやつねぇ、一回も会ったことないけどどんなやつなんだろ。
「さて、魔物も倒したし早く帰りましょう」
「そうだな」
俺は少し考えつつも暗い道を委員長と一緒に進んでいった。
今回の使用魔法紹介
魔法名
氷水操作
攻撃力B
スピードB
使いやすさC
射程距離C
汎用性A
魔力消費 生成量に比例
概要
魔法少女ビオラが使う固有魔法で水や氷を操ることができる。
様々な形に造形することで高い汎用性を持つが、生成した後は操作することも変形させることもできない。
ビオラはたまに技名をつけているが、魔法自体はすべてこの氷水操作である。
初めて固有魔法が出てきたのでポイント乞食します。ポイントください。




