日本国の問題整理その1
ー数日後、東京
「それでは、先日の会食会で分かったこの世界の情報を整理致します。」
現在、東京では先日の会食会から分かった情報とこれまでの調査をまとめて報告会を行っているのだった。
まずこの転移してきた星は地球より大きいということが分かった。とりあえず日本政府はこの星の事を新球と呼ぶことにした。日本の気候は変わらず温暖湿潤気候で、北海道は一部が亜寒帯、沖縄は一部が亜熱帯である。また海洋資源は排他的経済水域がまるごとくっついてきたかのように変わりはなかった。ただ海流が変わったことで漁獲量や獲れる魚が変わったりはあるようだ。しかし転移前から気候変動により獲れる魚が変わったりはしていたため比較的落ち着いて対応することができている。また気候帯は変わらずとも風向きが変われば降水量が変化したりもするため気象庁が注意を研ぎ澄ましている。
「以上が現在の調査で分かった日本の環境です。続いて転移してから約1週間、国内情勢についてです。まずは経済産業省からお願いします。」
日本政府は転移してからわずか二日目にして全国に緊急次第宣言を発令し、資源の節約規制を行った。山本総理の転移前からのもし転移したさいの綿密な統制計画により素早く対応することができたのだった。
しかしエネルギー問題はかなり深刻である。山本政権の尽力もあり国家備蓄が160日分と民間備蓄93日分、産油国共同備蓄分6日分の合計263日分は余裕があるがこの一年ない期間、いや実際は節約規制をだしているためもう少し長続きするだろうがいずれにしろ急がねばならない。
これに伴ってまず国内の開発されてない油田や閉鎖された炭鉱の再開を早急に宣言した。
そして新球での石油や鉄鉱資源が採れる所がないかを現在調査している。
続いて食料問題である。日本政府は転移すると、既存の農業の強化や日本では育てていなかった野菜や植物の実験的な国産化の試みなど、日本の食料自給率を高めることを宣言したのだった。
またシューメンをはじめとした新球の人々とも接触をし1年以内に輸入を開始する事を目標とした。これについては既に前の会食会でシューメン領から、主に熱帯地方から輸入されていた食品を輸入することがランバルク家を通して決定している。ただし、検疫の問題上安定供給にはさらに時間がかかるだろう。
そして次は検疫問題である。
これは3年前の謎の島の出現のおかけでとても救われた。これと合わせて転移後の海域調査によりウイルスや細菌は地球と変わらないことが分かったためだ。しかし注意すべきこともある。中世といえば地球ではペストが流行した時期だ。そのため外交官達は最初は防護服を着て接することとなった。しかし今は少なくともシューメンやブランクブルグ帝国では流行している疫病はないらしい。
次は国内の情勢についてだ。