「バース性」は間違っている。
オメガバース、ケーキバース、アイスバース、Dom/Subユニバース、ドールバース、カラーバース等、主に英語圏における架空・パラレル世界の接尾語「-verse」の種類は幅広い。
大体が輸入・輸出されて全世界的に共有されるが、現時点でアメリカにしか存在しないもの、日本にしか存在しないもの、韓国にしか存在しないもの等、それぞれの国の特異性を意識した架空・パラレル世界も多々ある。
この「~バース」について非常に多い誤用が、オメガバースにおける「バース性」である。
前述した通り「~バース」の呼称は英語圏が発祥で、「ユニバース」をもじった接尾語だ。ユニバースは宇宙や世界等を意味する言葉で、この場合は世界に当たる。
オメガバースの詳細は割愛するが、オメガバースとはすなわち『アルファ、ベータ、オメガという第二の性が存在する架空世界』ということになる。
この第二の性について「バース性」と記述する作品が非常に増えた。
日本語で書かれた作品を懸命に読み解こうとする英語圏の方々が混乱するので、至急やめていただきたい。
どうも、人気のオタク用語を載せたとある腐女子向けホームページでの紹介が「バース性」になっているため、新規でオメガバースを始める界隈に誤用が横行している模様だ。
×彼のバース性はアルファである。
○彼の第二の性はアルファ性である。または、彼の第二の性はアルファである。
男性・女性を第一の性、アルファ性・ベータ性・オメガ性を第二の性として世界を構築するのがオメガバースなのだ。
ケーキバースのケーキとフォークのように、特殊な設定を性別ではなく特異体質や病気と同一視する世界の場合、上記のような誤用はまず発生しないのだけれど……。
作品に登場する本人たちが『自分は架空・パラレル世界の住人である』と自覚しているのであれば、「バース性」もあながち間違っていないわけだが、そんなことはない。
有り得るとしたらデッ●プールくらいのものだ。