墓荒らしの始まり
「やったじゃないか!ミンスク!」
その言葉を聞いた時にはコンセントレーションは切れていた。
「ふぅ~どっと疲れがきたな~」
「それにしてもミンスク、よく倒せたね何かあった?」
「そんなことはいい、着陸しろ、リオ〇イアの近くでな」
「りょ~か~い」
◇ ◇ ◇
「さあ…使えるものをはぎ取りますか」
「モン〇ンじゃないんだから…でも使えるものは最大限使っていかなきゃね、ただでさえ補給が不安定だし」
エジリスは飛竜の遺体に触れた瞬間表情が変わった。
スキル マジカルリモーヴァル 覚醒
と耳にささやかれたような気がした。
「どうした?」
「僕はもう一つスキルが目覚めたっぽい」
「なんだ…そのあっさり感は…」
「魔力の確認と移動ができるようになったよ」
「…魔力ってお前のマテリアルなんちゃらで生成できないのか?」
「…できなさそう…魔力ってエネルギーの一種だと思うけど、それの構造や媒体がわからないしどうしても理解ができないからね…」
「なるほど…」
そう言いつつミンスクもナイフを取り出し飛竜に触れると。
スキル スキルイグスヒューム 覚醒
とささやかれた気がした。
「君もかい?」
「…確かにその感覚はした…が…」
「まだわからない?」
ミンスクはそう言いつつペタペタと飛竜の体にナイフが通る場所を探すためにあちこち触ってると…
スキル ウィンド エクシズム 奪取
とミンスクの耳にささやかれた気がした。
「また?」
「どうしてわかるんだよ…!」
「だって急に両目を大きく広げるんだから、すごくわかりやすい」
「…あまりいい気分じゃない」
「そういや君が覚醒したスキルって何?」
「えっと…スキルイグスヒュームだが…」
「イグスヒューム…確かそれは掘り出すとか墓荒らしとかの意味だ…」
「…!つじつまが急に合ってきた気がする…」
(試しにやってみるか!)
「なら…ウインド エクシズム!」
…何も起こらない…
「そのスキルって…確か…魔法の類だよね?」
「…あ…」
だけどこの異世界転生者二人組は一切の魔力を持たない…だが解決策があった。
「この飛竜からすごい量の魔力がある…これを使えば…」
「こいつの鱗とかか?」
「いや…血」
「血ィ?!」
「まず鱗とかを剥ぎ取らなきゃね~」
「これって…結構ハードな奴…」
30分後…
二人係で鱗を剥ぐが…ほんの5c㎡を剥ぐのが限界だった…
「ホントに硬いね…」
「ああ…もう笑っちまうほどにかてぇ」
「だけどこれで君のフェルムシニスタムで吸血できるよ…」
ミンスクは飛竜の皮膚に義手の注射を打ち込む
「…緑色だ…」
「後で輸血設定いじらなきゃいけないね」
「だが…これで試し打ちができるな」
ミンスクはそこにあった木に向けて
「ウィンド エクシズム!」
ミンスクの義手から放たれた旋風弾は木に大穴を開けるように引き裂いた、被害はそれだけではなかった、10mほど奥の木々を派手になぎ倒していった。
「…思った以上だ…!」
「これでようやく異世界らしいことができたね!」
「俺はそれを求めていたわけではないが…」
マジカルリモーヴァル (スキル・特殊)
破壊力・・・0
加害力・・・E
射程・・・E
精密動作性・・・S8
コスト・・・C
成長性・・・C
マテリアルリモーヴァルの魔法版、目標の魔力を吸い取るのが基本だが魔法の術式を武器等に付与
したりなどのエジリスのモノづくりに役立てる。
なおこれはマテリアルリモーヴァルの派生型。
ウィンド エクシズム (スキル・魔法)
破壊力 A
加害力 A
射程 C
精密動作性 E
発動速度 D
コスト C
成長性 C
リオ〇イアが持っていたスキルをミンスクがスキルで奪取したもの強烈な旋風を放ち広範囲を切りつける、しかし本家よりも加害力が低いが必要なコスト(魔力)が少なくなっている
スキル スキルイグスヒューム (スキル・特殊)
効果範囲・・・E
発動速度・・・D
コスト・・・C
成長性・・・E
生物の遺体からスキルを習得することができる。
ミンスクの身体に最も適合したスキルを習得するがミンスクの身体に合わせた形で習得するため、スキルをコピーするわけではない。
ついでに成長するのはスキルではなくミンスクなのでこれ自体の成長性は薄い。
魔力と魔法について (解説)
異世界人は体内で魔力を生成する、そしてステータスの魔力が高いほど生産できる魔力が多い。
魔法を使う際、近くに魔力があり、魔法を習得ができていれば誰でも使用が可能。