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序章 メネリス、シラクスの街に行く。

 この小説は、日本の近代文学の発展に大きく貢献された小説家である太宰治先生の「走れメロス」の影響を受けて執筆したものとなります。

「というわげだから頼むぞい。一緒に頑張ろうな。」

「‥‥‥はぁ?」

 メネリスは困惑した。

 この幼女は、一体なに言ってんだ?なに、頼むって。俺、何頼まれちゃうの?え、嫌だよ、面倒ごとは。というか、一緒にってなんだ?何を頑張っちゃうんだろう。


 というか、目の前に広がる光景がまったく理解できない。目に映る人という人が自分に頭を垂れているのだから。

 メネリスは状況を理解しようとしたがそれには時間がかかりそうだ。今できるのはただこの場に立ち尽くすだけである。


◇ ◇ ◇



 俺、メネリスは、村の牧人である。牧人と言っても、羊の世話もろくにしない名ばかり牧人だったわけだが。おかげで羊たちはまるまると太り、子どもたちに大人気だ。

 無気力な俺だが、正義感と妹への愛は人一倍あると自負している。特に後者。

 妹の名はフェリシア。美しい金髪と、凛とした顔立ち、胸元は寂しいがそんなことはどうでもいいと思えるほどすらっと伸びた足。料理、人付き合い、農作業と何でもできるハイスッペクな妹である。正直に言おう。俺は妹が大好なのだ。

 今日はその妹の結婚式で使う花嫁の衣装やら、ごちそうやらを買いにこのシラクスの街にやってきたのだ。正直、妹の結婚には大反対である。相手は、村で農業を営むルーカスという名の青年だ。見た目からすでにいい人オーラが溢れている。まあ、結婚の相談をし家にに来たときに、

「フェリシアさんを僕にください。お願いします!!」 

「‥‥‥‥‥‥」

「おっ、お兄さん、お願いしまっ‥‥」

「黙れ、奥義・飛龍白龍砕き(ワイバーンパイロン)!!」

ばここーん

「ヴォアえーーー」

 って具合にオレの秘技をお見舞いしてやったけどな。へへっ、ざまー見やがれってんだ。相手がどんな好青年でも妹を他人にやるのだけは認められない。フェリシアと会えない時間が増えるなんて考えられない。が、しかし結局こっぴどく怒られたあとで無理やり認めさせられた。いや、かれこれ3日くらいは抵抗したんだよ。でもねでもね、愛する妹に「もう兄さんとは絶交」なんて言われたら引き下がるしかないじゃんか。

 そんなこんなで仕方なく結婚を了承したわけだが、今度は街に行って結婚式で使う花嫁衣装やら、ごちそうやらを買ってこいという。

「いや、なんで俺が‥‥」

行かないといけないんだよ!って言おうとしたら

「兄さん、お・ね・が・い♡」

って上目遣いで言われた。もうそれだけで俺の心は射抜かれてしまったわけで。 

 そんなこんなで丸め込まれてしまった俺は、39キロメートル離れたこのシラクスの街にやってきたわけだ。

 しかしこの旅はいいことがない。39キロも歩かないといけないし、帰りは食材も持って帰るわけだから急がないといけない。絶対疲れるじゃんか。しかも妹をながめることもできないのだ。拷問である。でも愛する妹のためだ。頑張るしかないだろう。

 しかし唯一いいことがある。親友であるセリヌンティオスに会えることだ。彼とは物心がつく前からの友である。毎日一緒に遊んだり、飯を食ったり、山に落ちている怪しい本をこそこそとみたり‥‥ はしてないがまあ、とにかくずっと一緒にそだってきた。

 彼は15のときに自分探しとか言って旅立ったのだ。そして最近、セリヌンティオスからシラクスの街で石工をやっているという手紙が届いた。

 せっかくシラクスの街に来たのだから会いに行くことにしたのである。

 今日はもう夜も遅いので宿をとって休むことにした。今から明日が楽しみである。

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