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崩壊の一歩
人の心は人により違う。ほんの事で狂う人がいる。
いつからだらうか、この‘音’は日常へと変わった。毎日毎日鳴り響くこの‘音’。
その時、私は中学の最終学年を楽しく過ごしていた。親友と呼べる友達、飽きることのない授業を展開してくれる先生達、家に帰れば優しく一日の疲れを癒してくれた、そして何よりもずっと一緒にいたい彼女がいた。だが、少しずつ私の日常は変わっていっていた。家に以前にはなかった暗い空気が漂うようになった、いつもいつも何かで揉めている。だが、私は少ししたらまた元通りになると思っていた。私はただ、今まで通りに生活していた。冬の寒さが近づいてきたある日、家族崩壊の第一歩が歩いてきた。