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双子の時間  作者: 巡
2/5

登校

 長かった夏休みも終わり、今日から新学期。



 双子の兄、橘桃也たちばな とうや

 双子の弟、橘咲也たちばな さくや

 二人は同じ高校に通う高校2年。




「おはよう!!桃也、咲也!!」


「おはよう、光樹。」


「おはよ。」


 二人に明るい挨拶をしてきたのは、幼なじみの一宮光樹いちみや こうき


「桃也は夏休み中、学校でちょくちょく会ってたけど、咲也は終業式以来だな!!!元気だったか???」

 光樹は咲也の肩を軽く叩きながら言った。


「うん。元気。だから触んないで。」

 咲也は光樹の手を払いよけた。


「咲也は相変わらずクールだねー。」

 光樹は気にせず咲也に話しかける。


「そうそう!!今年のミスコンお前ら二人とも候補に挙がってたな。」

 光樹は笑顔で言った。


 それを聞いた咲也は

「は??何それ??」

 一瞬で不機嫌。


「え??咲也、お前自分がミスコンの候補に挙がってるって知らねーの??夏休みになってから、校内中にポスター貼ってあったじゃん。」


「ポスター??知らない。」

 咲也は基本、学校行事に全く興味がないためポスターの存在すら知らなかった。


「トーヤは知ってたの??」


「知ってたよ。一応執行部だし、文化祭の出し物は把握しておかないといけないからね。」

 落ち着いた口調で話す桃也。



 桃也達が通う学校の文化祭では、毎年ミス・ミスターコンテストが行われる。

 全校生徒の中で、学年問わず、最も可愛い人や恰好いい人、もしくは綺麗な人、知的で品がある人を候補者に推薦し、その中から選ばれた人がミス・ミスターになれる。

 今年は、そのミスコンの候補者に桃也と咲也が推薦されたのだ。



「誰が推薦なんてしたの??」

 咲也は少しイライラしながら聞いた。


「たぶんって言うか、絶対女子だろーな。」

 光樹は断言した。


「それはどうかな??先生かもしれないよ。」

 二人の少し先を歩く桃也が言った。


「教師が推薦してどーすんだよ。学生の行事だろーが。」

 光樹は桃也に言った。


「先生だって、なんだかんだ言って行事好きだから、そういうのにすぐ参加するんだよ。それに、ミスコンに推薦されると本人の意思に関係なく、強制的に参加させられるから、サボりそうな生徒を推薦して逃げられないようにできるしね。」

 淡々とこたえる桃也。


「策士だな。」

 光樹はその時、教師の怖さを知った。



 夏休みが明けて、最初の登校日はとても晴れていた。

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