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風のグラスゴー  作者: 玲於奈
風のグラスゴー第四部
60/160

祝 60話 映画のラストシーン

なし

はるか向こうの

グランドに

遠くで

一人佇む人がいる


背が高く

すらりとしている


オハラだ


うちらの姿を

見て

すごく大きく

手を振る

何度も何度も手を振る

本当に一生懸命

手を振っている

泣いているんじゃないか


だいぶ近づいたら

オハラが向こうから

駆けだしてきた

そんなに急いで

転ぶなよ

すごい勢いだ


息せききって

やってきた


大丈夫


はっちゃきのたんかに

駆け寄る


はっちゃき

ニコッと笑って

大丈夫


オハラも

力がぬけたようだ

肩でわかった


私の方を見る

よかった

目でそう合図しているようだ

何もしゃべらない


でもその目に

きらりと光るものが

あったのは

見間違いだったか


たんかと並行して

歩きながら

はちゃきに

言葉をかけている


そのまま医務室に

行くらしい

明るいところで

もう一度みてみるそうだ


よかった


あとは二人にまかせよう


どんぐりと並んで

見送る


いいムードだ

よくある映画の最後のシーン

ここで

主人公は

いつもかっこいい

氣のきったことを

ぼそっと言うんだ

おれもなんか

どんぐりに言ってやろうと

考える

しばし沈黙

俺が言おうとする


そこへ

先に口をはさむ

どんぐり一言

メシだ


ムードもなにも

あったもんじゃない


がっかりだ


私の落胆にかまわず

どんぐり

宿舎と反対の方に

歩き出す


どこへ行くのだ

なし

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