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告白
なし
女子を残していいのか。
時刻はもうすぐ16時。
春とはいえ、
夕刻は近い。
山ガールズとはいえ。
女子二人は軽装だ。
ここは男が護るべきなのか。
くだらないギャグの手前
私が残ることを
提案する。
どんぐり、
少し思案する
が
そうだな
それでいこうと
うなずく
どんぐり、オハラで
スタート方向に戻る
生きて帰れよ
手を軽くあげて
後ろを振り返らずに
どんぐりが行く
戦場に行く兵士のようだ
頼もしい背中が
緑に消えていく
頭上でからすが泣いている
その悲しそうな鳴き声に
夕方が近いことを知る
静けさがあたりを包む
「寒くないか」
はっちゃきに聞く
「寒くない」と答えるが
腰に巻いていた
ウインドブレーカーを
肩にかけてやる
「ありがとう」
めずらしく素直だ。
突然
「昨日はごめん」
はっちゃきが謝る
何のことかめんくらう。
そうかラリアットか。
すっかり忘れていた。
まあどうでもいい。
それより足の捻挫か?
そちらの方が心配だ。
痛まないか聞く。
まあ、痛いだろうが。
「話したいことがある」
改まってはっちゃきが言う。
なんだ告白か。
動揺を隠して
「金ならないぞ」
といきがる。
なし