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風のグラスゴー  作者: 玲於奈
風のグラスゴー第四部
44/160

野バラ

なし

街としては

大きすぎ

高層の建物が多いが

そこはかつて

避暑でよく何週間も滞在した

ニースに似ていた


坂や意外に多い緑が

そういわせたのか

しれない


坂をのぼると

教会が見える


わざわざ

出迎えてくれた理事長は

まさにシスターであり

フランスから

異国の地

日本に来た

彼女に優しかった


学校は伝統ある

お嬢様学校であった

その進学先は有名な

Tをはじめ、K、A、J大など

幅広かった


普通科2年に編入され

彼女の新たな高校生活がスタートした


さすがに何回も

外国からの

転入生がきており

珍しくないのか

帰国子女のオハラは

すぐに

とけ込むことができた

やはり母仕込みの

ジャパニーズが

ものをいったらしい


まわりを取り巻く友人は

一様にフランスでの生活を

聞きたがった

彼女はきわめて

丁寧にかつ親切に一人一人に

応対した

全くえらぶるところはなかった

夏の入道雲 猛暑がさり

残暑とよばれる暑さが

続き

季節は秋になろうとしていた


その日

いつもどおりに

彼女は登校した

残暑ながらも

過ごしやすい季節になってきた


朝、いつものように

グッドモーニングと

言って教室に入室する

その日に限って

彼女の周りには

いつもの友だちはこない

軽い違和感を感じながらも

いつも通りに授業をうけた

しかし

休み時間は2、3人の子が

話に来てくれて

自分の心配は杞憂かと

思った


ところが朝は

次の日も同じであった

そして

休み時間は

誰も話しかけてこなくなった

こちらから話にゆくと

なんとなくさけられている

感じがした


ある日の音楽の時間

わらべは~みいたあり~

のなかのばあらあ~

宝塚のような

かといってどこか懐かしい

歌を歌い終え

みんなが教室を出ていった後

オハラは女教師に

呼び止められた


音楽教師は若い臨時の先生で

外国での留学経験があるらしく

なぜかとても氣さくな女の先生だった

何度か彼女と話をしたことがあったが

呼び止められたのは

はじめてだった


彼女は誰もいなくなると

こう言った

「野バラよ」

「野バラには氣をつけなさい」


その事をつたえると

何事もなかったように

彼女は準備室に去った


まだ

その意味が彼女にはわからなかった


なし

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