36/160
青い缶
なし
手に何か持っている
青い缶
コーヒーだ
無言で私に投げてくる
さすがどんぐり
気遣いの男
温かいのがよかったが
贅沢は言えまい
飲みながらここらの自然の素晴らしさを聞く
嫌みに言わないのが氣にいった
自分も走ったような錯覚
やってみようかとも思った
タバコ吸いにはまあ無理だろうが
昨日の様子をどんぐりに聞く
体育館にパイプ椅子が並べられて
合宿のオリエンテーションだったらしい
そうとうラリアットが効いていたらしい
パイプ椅子など氣づかなかった
文学部の半分と、教育学部の半分ずつが
この合宿で集められたそうだ
あれで半分ずつとは、なんちゅう大学だ
なし