幸せの黄色いハンカチ
なし
氣が付くと
体育館の雨を打つ砂利
犬走りに寝ていた
どのくらい
寝ていたのだろう
遠くからざわめきが
それが
すぐ脇の体育館の外扉の中だと
わかるまで
数分
いやもっと短かったのか
ざわめきが大きく聞こえる
外扉を開ける
まぶしい
始まるところだったらしい
扉を閉めてそこに佇む
というか氣を取り戻す
なんちゅう人の多さやねん
演台で挨拶が始まったらしい
急速に馬鹿らしくなってきた
そして体育館裏手にちゅうこーでもあるまいし
行った自分が情けなくなってきた
自分に嫌氣がさし
部屋に戻るべく入り口に向かう。
くだらない話はまだ続いている。
そして、そこに例によって学生課よしおが待ちかまえている
そういやこいつもよっしーーーか。
「ちょっと頭がいたくて」
よしおに言う。
確かに倒れただけあって顔が青かったのだろう
何も言われず
行ってよしの片手ふり。
こいつは氣概なしと思われたか。
まあいつものことだ
部屋に戻る
後ろから、なにかアトラクションか
ゲームが始まったのか
大きな歓声がする。
やっぱり学部対抗バスケ大会
当たりか。
俺がいなくて、文学部は損したな。
幸せの黄色ハンカチの武田鉄矢のように
捨てぜりふを吐く。
なぜか笑いがこみ上げてくる。
なし